GITANESは本の供。
それとは無関係に・・・。
直近の本。
●乗代雄介/最高の任務
複数の感想や書評を見ると
「わかりにくかった」「難しい」とあって、たしかに
芥川賞候補作・織田作之助賞受賞作の「それは誠」の方が
ストレートで分かりやすかったが、「最高の任務」や
そこに収められていた「生き方の問題」も、あちこち
寄り道しながらもある地点(時点)に物語が収束していき
そしてそれは他人からみると大事件ではないという
部分では似ている気はする。
と、わざとわかりにくく書きました。
ちなみにこの「最高の任務」も第162回の芥川賞候補作。
「賀古鶴所がおそらく本邦最新の枕詞」というところで
強く惹かれてしまった。
●石田夏穂/わが友、スミス
帯に「筋トレ小説」とある。
筋トレに励む女性がボディービルの大会に出る顛末
のストーリー。
途中で挫折してしばらく放置していたが私のように、
自分の筋肉を愛でる感覚が皆無の人間でも途中から
ぐいぐいと引っ張られる。峠を越えれば緊迫の大会終了
まであっという間である。
「関東平野をひっくり返す勢いで、バーを渾身の力で引っ張る」
というフレーズが男前だ。
●川瀬巴水_木版画集
夜の飲食が終わり、入浴かちょっとだけエアロバイクを踏むか
という直前に眺めるのに最適の画集。
誰でも、どんな質問にも即答できるような用意はできないが
少なくとも「最も好きな版画家は?」と問われると
「川瀬巴水」と迷うことなく即答できる。
もちろん今のところは、であるが。