GITANESは線香代わりにならない。
それとは無関係に・・・。
「遺影の怪」なんて書くとかなりオカルトめいた
話を連想してしまうと思うのだが、別に怪談ではない。
私の家には父の遺影がある。
数年前までは仏壇もあったのだが、兄が亡くなったのを
機に、兄宅へ仏壇は移した。
義姉が兄を含め先祖代々の霊を供養してくれている。
そうなると、私の家では手を合わせる対象がなくなって
しまうことになる。
それではどうも手持無沙汰なので、オヤジの遺影と骨を
仏間に置いている。
なんで骨が未だにあるんじゃ!という追及もあるだろう。
これは母が、
「自分が死んだときに一緒に納骨して欲しい」と
希望したからである。
ついでに、オヤジの遺影の隣には
ケンタロウの遺影と骨も鎮座している。
ケンタロウとは、オヤジがなくなった数年後に死んだ
オスの柴犬のことだ。
屋内に上がることを頑なに拒み、家の外で暮らす
ことを選択した、飼い犬にしては自由な精神の持ち主
だった。
そう、「怪」の話だ。
毎日、帰宅したときには線香に火をつけ遺影に
手を合わせるのが習慣となってしまっている。
で、手を合わせて何事か話かけるときに
必ず大きい欠伸が出るのである。
自分で制御できないほどの深くて大きい欠伸だ。
って、まあそれだけなんだけど、
ただいま帰りましたと遺影に手を合わせたら
無条件で欠伸が出るというのは、何かしらの
メカニズムが働いてはいるんだろうけど、それを
解明しようという気がまったくないので
「怪」で済ませているのである。
無意識の緊張がいっぺんに解けるから
とか何とかの理由はあるんだろうけど、
とにかく「怪」だ。
それでいい。
| Trackback ( 0 )
|