GITANESを吸う時の儀式はいくつかある。
内緒だが。
それとは無関係に・・・。
会社から家に帰る途中に本屋がある。
300坪ほどの広さなので、雑誌や新刊書を買う程度であれば
充分な品揃えである。
上下巻で4000円弱の本と、雑誌を2冊ほど手に取り
レジに並んだ。
スッと、横から割り込まれた。
小学校高学年ぐらいの女の子だろうか。
まあいいか、レジも2台あることだし。
割り込みに気づいていたレジの係りのニイチャンが
私に向かって、「次の方、どうぞ。」と言ってくれたが
まあいいではないか、と、女の子に気づかれないように、
先にこの子を・と促した。
いいことをした後は、いいことがあるもんだろうし・・・。
いつもこの本屋では
「○カードはお持ちですか?」と尋ねられる。
ポイントカードのようなものだろう。
で、そんなわずらわしいものを持っていない私は
「持ってません。」というのが、この本屋を利用するときの
いつもの儀式になっている。
これも煩わしい。
そして、雑誌以外の本を買うときには、
「カバーはいかがいたしましょうか?」と訊かれ
「要りません」というのも儀式だ。
これも煩わしい・・・。
女の子がコミック1冊の支払いを済ませ、私の順番だ。
(煩わしい儀式を、こちらから先に済ませたらどうなるのだろう・・・)
と咄嗟に考えてしまった挙句
「持ってません。」と、口走ってしまった。
レジ「はい?」
私「・・・いや、何も・・・。」
(そりゃ、わからんだろうなあ。)
2秒後
レジ「○カードはお持ちですか?」
やはり訊かれるのか。
私「いや、それこそ持ってません。」
レジ「はい?」
私「いや・・・。」
レジ「あの・・・」
私「(カバーなら)要りません。」
レジ「はい?」
私「・・・」
レジ「カバーはどうしましょう?」
私「・・・あぁ・・・」
本は静かに、無言で買いたい。
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