GITANES嗜好者の旅支度はGITANESの確保から始まる。
それとは無関係に・・・。
タクシーに乗る機会がほぼない。
日常は自分のクルマでの移動だし、出張のときぐらいしか利用しないが
その出張もそれほど多くないからだ。
運転手を除き、タクシーに乗り込むとなると窮屈で仕方ない。
それも後部・真ん中の席ではストレスもマックスになる。
そういう経験を何度かしているが、いちばんひどかったのは
10年ほど前の北海道旅行(職場の慰安旅行)だった。
宿泊しているホテルを出発して、ゴルフ場まで移動するのだが
その時間帯にうまく乗れる電車がないということがわかり、タクシーで
移動することに。4人でゴルフの予定だ。
で、私がその4人で一番年少者だった。
後部座席の真ん中だ。床がこんもりしている、あそこの席だ。
おまけにこの4人、みなデカい。
私も身長は176センチなので、それほど小さくないと思っているが
他の3人が182、185、187という面子である。デカい。
両脇がデカいと、こんもり席は余計に悲惨な状況になる。
ホテルを出発したら、すぐゴルフ場だった。
しかし目指すゴルフ場はあれではない。
ここで良かったのに。どうせ全員下手なのに、どこでも変わらんのに。
結局、目的地は結構飛ばすタクシーで1時間の距離だった。
その間ずっとこんもり席に座らされていた訳だ。
助手席に座った人と運転手は、それなりに会話しているようだった。
そりゃあ1時間もあるのだから、自然とそうなるだろう。
北海道と言えば競走馬 なんて流れになったようで
馬の名前がいくつか飛び交っていた。
私は競馬もやらないし、馬の知り合いもいない。まったくどうでもいい流れだ。
しばらくして運転手が
「これこれ、これ見ます?」
とどこからか取り出した写真。
いかがわしい写真でもなんでもなく、ナントカという名前の競走馬の生写真だった。
運転手はそれを見せながら、その馬についていろいろ語っていた。
後部座席ににも馬の生写真が廻ってきた。せっかく寝たふりしてたのに。
ちらっと、黒い馬の横顔が見えた。
「あ、この馬知ってますよ。親とやっぱり似てますね」
適当に言っておいた。
おそらく馬も親に似るだろうし、実は似ていなくても私は一向に困らない。
こんもりのてっぺんに両足を乗せ、ひざをずっとくっつけている状態で
タクシーは所々100キロ近いスピードで走った。1時間。
まあ、馬で移動するよりはマシなのだろう。
結局、タクシー内でその姿勢をとり続けたことによって下半身がぷるぷるしており、
ゴルフの成績はいつにも増して散々だった。
私はそれから、あまり馬が好きではない。
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