【政治家の条件】
19世紀末から二十世紀にかけて、ドイツに社会思想家マックス・ヴェーバーという人がいました。彼は、1919年、55歳の時にミュンヘンで「職業としての政治」という講演をしました。その講演が『職業としての政治』(岩波文庫)として出版され、政治家を志す人のバイブル的な役割をしています。
その中で、マックス・ヴェーバーが政治家の条件として最も重視しているのは、政治家としての情熱です。ほかに洞察力なども挙げていますが、一番大切だと指摘しているのが情熱です。私も政治家は、「世の中を変えたい」、「世の中を良くしたい」という情熱の持ち主がすべき職業だと思います。片手間に政治家をやるとか、あるいは自分は政治家になりたくないけれど、みんなが勧めるからやるという程度の志でする職業ではないと思います。
政治家というのは政治的情熱をもってする職業です。もちろん。清貧に甘んじ質素に過ごすということも一つの美徳です。美徳ではありますが、政治家の場合、それが最優先の美徳ではないのです。日本人がもし本気でそう思っているのなら、有権者の質を問い質さなければなりません。
政治家にとって一番大事なのは「この国をどうするか。自分はそのためにどういう役割を果たしていくか」という使命感や情熱、先見性、さらに自分の主義主張を実行する際に不可欠な決断力です。
さらに現代は民主主義の世の中ですから、大衆に説得する力も必要です。この雄弁も政治家にとって必要な能力です。そういうものが政治家にとって優先する資質であって、悪事に手を出さないとか、ワイロを受け取らないなどということは社会人として当然のことです。
(三宅久之さん『日本の問題点をずばり読み解く』青春出版社より)
私が公私ともに、お世話になっている三宅先生の本の一節です。
まさに、今政治に対する大きな不満は、ここにあると思います。政治家の情熱が感じられなくなった。党利党略、選挙で有利か不利かだけで争い、この国の将来に対するビジョンが見えてこないことが大きな原因だと感じています。もちろん、選挙で勝たなければ議員として仕事が出来ないことは当然です。しかしながら、国会は、今の日本の危機に対し対策を講じる責任があります。選挙前に緊急の対策をしっかりとやっていただきたいと望んでいます。私は、情熱を持って活動を続けてまいります。