線路番を勤めるまじめなセミョーン・イヴァーノフと、その隣の線区を受け持つヴァシーリイ・ステパーヌィチは、ともに社会構造の下層で苦しい生活を送っていた。
不当な仕打ちに怒ったヴァシーリイは、上司と一悶着を起こして、本省へ直訴に出かけるが、何日経っても帰ってこない。
そして、ある夕方、セミョーンは、ヴァシーリイが事故を起こそうとしてレールを外しているのを見つける。
(1887年発表の作品ですが、ちょっと9.11を思い起こしました。}
ヴァシーリイに逃げられ、列車を止める手段も持っていないセミョーンがとった行動は・・・。
22ページの短い作品ですが、人物の性格が上手く描かれ、クライマックスに至る事件の進行も、簡潔な中にドラマ性を十分に盛り込んでいます。
セミョーンの愚直さ、ヴァシーリイの怒りと哀しみが、印象深い作品です。
岩波文庫「紅い花 他四篇」に収録。
不当な仕打ちに怒ったヴァシーリイは、上司と一悶着を起こして、本省へ直訴に出かけるが、何日経っても帰ってこない。
そして、ある夕方、セミョーンは、ヴァシーリイが事故を起こそうとしてレールを外しているのを見つける。
(1887年発表の作品ですが、ちょっと9.11を思い起こしました。}
ヴァシーリイに逃げられ、列車を止める手段も持っていないセミョーンがとった行動は・・・。
22ページの短い作品ですが、人物の性格が上手く描かれ、クライマックスに至る事件の進行も、簡潔な中にドラマ性を十分に盛り込んでいます。
セミョーンの愚直さ、ヴァシーリイの怒りと哀しみが、印象深い作品です。
岩波文庫「紅い花 他四篇」に収録。
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前日、東京から山荘にやってきた百合子夫人は、朝寝坊ができるのが嬉しいとともに、「夢遊病者のようにめざめ、ふらふらと庭に出て、風に吹かれて歯を磨く。それも嬉しい。」と記していて、ちょっとしたことにも生きる喜びを感じる感覚の豊かさに、自分もそうありたいと思います。
さて、冒頭には、朝昼夜の食事のメニューが記載されていて、そのうち、おからの煮付けとししゃもは、隣のおじいさんからもらったものということで、お隣さんからも親しみを持たれている様子が伝わってきます。
また、この日記では、買ったものの値段が書かれていることが多く、「ぶどう酒一升三百円、…(略)…、豆腐一丁四十円、パン四十円、森永キャラメル二十円。」などと記載されていて、当時の物価水準や経済状況もわかります。
続いては、ガソリンスタンドで嫌な感じの男の話を聞かされたことが書いてあり、「ああ、こういう人っているよなぁ」と同感します。
終わりに、もう、この夜から、水道管の凍結防止のために、水を流しっぱなしにするようにしたということで、富士の麓での厳しい寒さの中での生活を知らされます。
一日の出来事を簡潔に述べた中に、生きていることの実感がしっかり盛り込まれています。
さて、冒頭には、朝昼夜の食事のメニューが記載されていて、そのうち、おからの煮付けとししゃもは、隣のおじいさんからもらったものということで、お隣さんからも親しみを持たれている様子が伝わってきます。
また、この日記では、買ったものの値段が書かれていることが多く、「ぶどう酒一升三百円、…(略)…、豆腐一丁四十円、パン四十円、森永キャラメル二十円。」などと記載されていて、当時の物価水準や経済状況もわかります。
続いては、ガソリンスタンドで嫌な感じの男の話を聞かされたことが書いてあり、「ああ、こういう人っているよなぁ」と同感します。
終わりに、もう、この夜から、水道管の凍結防止のために、水を流しっぱなしにするようにしたということで、富士の麓での厳しい寒さの中での生活を知らされます。
一日の出来事を簡潔に述べた中に、生きていることの実感がしっかり盛り込まれています。
富士日記〈下〉中央公論社このアイテムの詳細を見る |