次々と閣僚が任命され,新政権の姿が見えるにつれて,現在では,「バラク・オバマが今度こそアメリカを帰るだろう」と大いに期待して
いた純真な若者や貧困層たちの情熱は,すでにかなり冷めてきました。(『資本主義崩壊の首謀者たち』(P146)」)
それというのも,オバマの政権移行経済顧問委員会に,ポール・ボルガー,ローラ・タイソン,ウイリアム・ドナルドソン,ロバート・
ルービン,ローレンス・サマーズ,ティモシー・ガイトナーなど,金融パニックを引き起こした最高責任者たちが名を連ねたから・・・。
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投機屋の総本山は,シカゴとニューヨークにある先物取引所である。シカゴ商品取引所(CBOT)とシカゴ・マーカンタイル取引所
(CME),ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX),ニューヨーク商品取引所(COMEX)である。
CBOTは穀物,CMEは為替(金利,畜産物,不動産デリバティブ,天候<・排出権>),NYMEXが原油,COMEXが金を扱
っているのだが,1994年のNYMEXによるCOMEXの買収,2006年のCMEによるCBOTの買収を経て,2008年の,
CMEグループによるNYMEXの買収によって,CMEグループとして,為替,穀物,原油,金の先物取引を行う,デリバティブ取引
に関わる世界最大の化け物会社となっている。(『資本主義崩壊の首謀者たち』(P54~59)」
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<GMは自動車メーカーか>と言えば・・・
GMは,「2004年時点で,金融子会社GMACがGM全体の利益64%をかせぎ,自動車メーカーとは言えなくなっていた。」
(『資本主義崩壊の首謀者たち』(P73)」)フォードも,「すでに何年も前から,本業の自動車部門の赤字を,金融子会社のフォード・
モーター・クレジットが穴埋めし(P76)」,クライスラーに至っては,「赤字続きのため,いまやサーベラスに買収されハゲタカ傘下にあり,
ニューヨーク証券取引所にクライスラーの名はない。(P76)」というのだから驚きだ。 . . . 本文を読む
グリーンスパンは,J・P・モルガンをはじめ,モービル,アルコアなど15を超える大企業の重役を経て,1987年,レーガン
に中央銀行総裁に任命されて以降,マエストロ・絶大な権力者として米国金融界に君臨した。
しかし,広瀬氏は「それは,本人の能力による出世ではないのです。グリーンスパンを代表に仕立て上げて,腐敗投機をおおぴらに
進めることができるように仕組んだウォール街金融業者の集団的な戦略によるものでした。(『資本主義崩壊の首謀者たち』(P138)」という。
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ローレンス・サマーズは,ルービンの片腕でノーベル経済学賞受賞のサミュエルソンの甥。史上最年
少でハーヴァード大学の教授になったことがご自慢の主である。
その罪とは,1998年に破綻した巨大ヘッジファンドLTCMを「全米が,ヘッジファンドの借金
のレバレッジ(梃子)の原理がどれほど自己増殖するかという危険性に気づいたはずなのにクリントン
政権のルービン(『資本主義崩壊の首謀者たち』(P126)」と組んで,それらをすべてもみ消した
ことであるらしい。 . . . 本文を読む