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新しい出会いをありがとう。

『成果主義神話の崩壊』を読み始めた

2005年06月03日 | 読書ノート
成果主義神話の崩壊

旬報社

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 今はやりの成果主義。発端はバブルの崩壊とその対応としての痛んだバランスシートの改善。人件費抑制の便法として導入された「成果主義」については,アメリカンスタンダードの無為な受容とあいまって,そもそも,その生まれ・成り立ちからして胡散臭さがつきまとう。

 先行導入企業では,過少申告,評価に係る過負担,評価の情実性などが課題となっているようだし,いわゆる「ニッパチ」(大抵の組織は,2割のスタープレーヤーが8割くらいの利益を先導しているというものの見方)における組織連携分の寄与度をどう評価するかという問題もある。さらに,成果主義のひずみは,若年層のメンタルヘルス問題も引き起こしているとも言われている。

 そういう意味では,移民国家の米国とは異質の日本版・心のこもった成果主義とでもいうものが必要なのではないだろうか。
 個人的に勝手に尊敬しているクロネコヤマトの小倉さんも,ある著書で,「社員の評価については色々試してみたがこれといった特効薬的なものはなかった。振り返ってみると,最後は,人柄の良さというか人格的なメジャーがもっとも確実なものであった。」という趣旨のことを言われていた。このあたりが,日本版成果主義を成功させるヒント・ポイントになるのかもしれない。


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