こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

エクスプローラのぺ・ヨンジュン限定モデル

2005年10月04日 | 読書ノート
僕が伝えたかったこと

マガジンハウス

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 「冬のソナタ」が流行ったころ,ヨンさまが乗っている白い車がほしいと,中高年女性が車屋に殺到したと言う。エクスプローラのぺ・ヨンジュン限定モデルなど,世の中に出回っていないが,もし,このニーズに応えてフォードがエクスプローラのぺ・ヨンジュン限定モデル出したとしたら,しかも,テレビを見ながら注文できる仕組みで売ったなら,かなりの台数が売れたのではないかという話である。

 ホリエモンの『僕が伝えたかったこと』には,ネットとテレビ,出版の既存メディアとの融合がもたらす効用が,様々な角度から取り上げられていておもしろい。ネットの利点は,①オンデマンド②インタラクティブ,③ニッチの3点で,そのメリットをテレビなどの既存メディアと組み合せて展開すれば,ビジネスチャンスが無限に広がるという主張だ。

 例えば,制作経費の嵩むテレフォンショッピングも,ネットで注文できるシステムにかえれば,経費を浮かす分だけ,安く商品が提供できる。テレビ番組も,何でもかんでも垂れ流し方式を改め,視聴者のニーズにそって,ジャンルを絞ってオンデマンドで制作・提供すれば,効率も良いし,浮いた資金をよりクリエイティブな番組に投資する好循環が得られる,という具合だ。

 ホリエモンのこういう主張は,すでに,7~8年前から議論されていて,何も目新ことではない。かつての机上の議論が,今は,現実のものになりつつあるということなのである。それにしても,旧体制というのは,自ら変革というのは難しい。ソフトバンクが常時接続・定額制のADSL市場に殴りこまなければ,NTTは変わらなかっただろうし,フジテレビもホリエモン騒動がなければ,公衆LANを使った番組配信を含め,ネットとの融合路線を,ここまでは,進めていないはずだ。

 世の中が変わるには,既成の価値観の破壊者がどうしても必要だ。あえて悪役を買って出る,ずぶとい精神力がなければ,なかなか事を成すことはむずかしい。でも,それって,消費者から見ても,良い変革なのではないだろうか。

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