河口慧海の続報を書こうと,あれこれネット検索をしていたら,慧海の『チベット旅行記』(白水社)を読まれた方の,とてもよくまとまったわかりやすい読後感がのっていたので,それを抄録して紹介させてもらう。(脅威なき迷宮の『チベット旅行記』より抄録掲載。)
◇ 今から約100年前。厳しい鎖国のチベット。インドから目と鼻の先なのに幾重もの検問が探検家たちの行く手を遮 る。そこで,慧海は一計を案じ,あえて遠い迂回路を選ぶ。それが,慧海踏破した,インドを南下しまた北西に向かい, ネパールを経由しチベットを横断するルートをたどる。
◇ 徒歩の行程は四千キロに及び,厳寒のヒマラヤ六千メートル級の高山を次々と踏破する。酸素ボンベや登山靴はも ちろん,近代的装備など何もない単身での大旅行だ。雪山でテントもなく野宿して,眠ると死んでしまうから座禅で朝まで 耐えるなどと人間業ではない。(すごいなあ。本当に人間業ではない。)
◇ いざチベット入りしても,外国人だと発覚すれば手引きをしたチベット人ともども死刑である。慧海は中国人を偽装し, それでも行く先々で嫌疑を受けるが,その切り抜け方が面白い。(のだそうだ。)例えば,中国語を疑われると「あなたの中国語は北京語で私と違う」などと,適当にごまかす。(と言う具合らしい。)
◇ さらに,当時のチベットの風習などが細かに書かれて慧海の感想も含めて興味深い。
「 麦のダンゴのようなものが主食らしいのだが,チベット人の垢まみれの手でこねられては食べられん!とか,食器を 鼻水拭いた袖で拭くんじゃねえ!ラサ市街の溝はウンコや小便がわんさか流れてきて臭くてたまらん!」 とか,
「 鳥葬のため死体をバラバラに解体する作業途中、肉片や脳みそでベタベタの手でダンゴをこね、うまいうまいと食うチベット人は確かにすごい。こうやって食われた方が仏も喜ぶ、などと言って悪びれない。 」
という具合である。
◇ この本は1909年に『Three Years in Tibet』と題して英訳され,外国で大きな反響を呼んだ。そして,なんと,ブラッド・ピット主演の映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」はハーラーの同名の旅行記(原題 Heinrich Harrer『Siben Jahre in Tibet』)を,どうも下敷きにしているらしい。少なくともハーラーが,慧海の旅行譚を読んだことは間違いないと思われる,とのこと。
チベットの独特の風俗・習慣を描き,現地の人との交流を描いた,ブラッド・ピット主演の映画「セブン・イヤーズ・イン・ チベット」は,すがすがしく気持の良い映画で印象に残っているけど,なんと日本人の冒険野郎・慧海がモデルになっていたとは知らなかった。かなり分厚い本らしいが読んでみたいなあ。(講談社学術文庫で5巻だって!)
偶然なのでしょうか、すぐ近くに「算数脳」が紹介されていて驚きました。作者の高濱さんの塾で以前働いていたときがありまして大変お世話になった次第です。
そしたら kencyon の コメントに いたり 感動させてただきました。
私め,涙腺刺激映画ナンバーワンは,ニューシネマパラダイスと固く信じており
kencyon さんの ブログ に あのトト を 発見し,重ねて 感動した次第です。
母の命日(2005.7.25)を目前に 数々の感動を与えてくれた ニシゴン kenncyon さんに 改めて 感謝します。
これも何も 母の 導きなのかもしれません。皆様の ご健康を 心より お祈りいたします。
皆様の やさしさに 深謝 !