トリCのブログ

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日本らしい敗戦

2007-07-26 02:18:00 | サッカー
繋ぎに繋ぎボール保持率を圧倒し念入りに練った守備戦術を個人の才能で突破され沈む。非常に日本らしい敗戦であった。良くも悪くも他のアジアチームにはやろうと思ってもこういう負け方は出来まい。

アジア杯に入る前から懸念材料として書いた事だがこのチームは体力が取り柄だ。Jリーグを土壇場までやってこんな高温多湿な場所で連戦ではいずれ体力負けして敗退するだろう、とは思っていた。記者会見では言い訳がましくなるので恐らく言わないだろうがオシムは日本に帰ってから協会に苦言たらたらだろうとは思う。

評価のしようがないアジア杯 

対策として取られるのはW杯予選土壇場までのリーグ戦を自粛、つまり準備期間を長く取ってもらう事だ。そうしないとこのチーム、恐らく何度やっても試合を連戦するごとにキレが失われていくだろう。要は2,3日おきにダッシュ込みのミニマラソンをやっているようなチームで大会前、全然体を休ませないで本番に突入していては、しかもそれが売りのチームとくればそりゃ無茶ってもんだ。

ジーコ時代は海外組を多用したので準備期間を設けても国内組のみがキレを取り戻すだけだった。結果として海外組の体力温存の為非常にたるい試合をする事になりそれが「スピード」を重視するサッカーファンから嫌われ「海外組不要論」が多くなった。しかし試合終盤に(相手よりも体力が残っている分)逆転、同点弾が多く残り5分あればパワープレイで押し切る能力があるチームであった。言ってみれば内容がダラダラと悪いのに何故か最後に同点、勝ち越し点が生まれる運の強いチームと解釈されたのだ。

しかしオシムのチームの場合、序盤に優性に事を進め逃げ切る必要がある。先制されると相手よりもより走って同点に追いつく必要があるので今回の様に三度も先行されると相手に有利なスペックを終盤で維持出来なくなる。サウジの選手は試合終盤も大して疲れていなかったわけでオシムジャパンの売りが全く発揮出来ないまま試合は終了した。(いや、最初の15分程度は出来る体力であったと言えるか)

先制された場合、無理をした分、チーム全体のスピードは落ちていくわけで羽生などの活性剤を投入しないとこれが保てない。つまり決定力のある隠し玉や流れを変える的確な選手を投入するよりも走る選手が必要なわけでこれがますます土壇場でのゴールを奪える確率を減らす事になる。

つまりオシムジャパンは勝率は高いし試合は有利に進めるし内容もいいが先制されて体力が切れたらそこから逆転、というわけにはなかなかいかないサッカーだと言う事だ。

次の相手は同じく走りを売りにしている韓国だ。ただ今回は相手も余りキレがなく決勝トーナメントで0点である。中立地での韓国戦という事で死闘となるだろう。果たしてどういった試合になるのか注目である。

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