官邸にドローンテロが仕掛けられた。犯人が自首したそうで意図としては動きのない反原発世論に対してインパクトを与えて選挙結果に影響を与えようという工作活動だとか。
反原発に賛成しないとテロが行われますよ→怖いから反原発の議員に投票するしかない→地方、国政ともに反原発議員だらけになり原発中止→原発のない良い国になったとドローンテロ活動が認められる
こんな流れを犯人は想像でもしているのだろうか。
ところで政治は反発する政策の戦いでもあるので何かあった時はいかにミスリードして自陣に有利になるようにするか、つまり拮抗する世論をどうにかして有利に持っていこうとネットやマスコミでそういう工作活動が活発になる。
今回の事例で言えば犯人の意図はそういう陣営のミスリード工作員の意図で大きく変えられるように出来ている。
簡単なところでは
・テロに対する対応として法制化と警備の強化の必要性を訴えこれを国防、つまり中国やそこらへんのテロ国家に対する不備とイメージを重ね合わせる。官邸の屋上は無防備にもほどがあるが日本の国境も無防備にもほどがある。根は一緒で法制化と警備に全く熱心ではないのが原因、尖閣、対馬は首相官邸屋上である
などと持っていく事が可能だ。
同様に
・原子力発電所の上空にドローンの様なテロを仕掛けられたら法制化と警備などという呑気なやり方で対応できるものではない。いくら安全を向上させても日本の各所に原発がある限りいつかは狙われる。であれば目先の利権や利益で原発を維持するのは有事の際にはそれらが吹き飛ぶデメリットとなる。特に周辺国家と軋轢が絶えない政府が政権を担っている場合はそのリスクは増大する。
他に
テロも怖いが福島の砂はやはりそんなにも危険なものなのか。やはり政府のいう安全というのは嘘だったのか。
などなど。
しかし個人的に思うのは政治は結局は金、である。長い目で見れば。
政治家でお金を損させる政策で世の中を良くした人が長く支持される事はない。例えば「子供とお年寄りが安心して暮らせる社会」を実現させようと思えば金銭的損失もある。老人や子供にとって工場誘致は産業道路の拡張や大型トラックの危険、夜間での騒音など全く良い事ではない。つまりこういう政治家は工場誘致によって得られるメリットである雇用の向上、雇用によって得られる収入から税収、地元の商業の活性化など「お金」の恩恵を得られない。結果として理想は高く実現した政策も多くても地域が斜陽化していきやがて「お金になりそうなアイディアを持つ」政治家に議席を奪われる。
原発論争にしても反原発は「お金にならない」というイメージが強い。反原発派は「子供と老人にやさしい社会」系の人が多いのだから上に書いた工場誘致のメリットを軽視しすぎている。
話の手順を整理すれば老人と子供にやさしい社会で工場誘致に匹敵するお金になる政策を考えれば良い、となる。なぜ匹敵であって上回る、と書かないかというと対等であれば誰だって工場よりは優しい社会を選ぶから、というだけの話だ。反原発派である政治家は反原発を金のなる木に変える必要がある。
電気料金が安い高いという庶民レベルの話ではなく反原発によって産業や雇用という永続的に使われるシステムを創出する必要があるというだけの話だ。
ドローンの話に戻るとテロや危険を煽る反原発工作にしてもあるいは国防に置き換えた安全保障にしても政治で最も大事なお金になる話ではない、という点では同じなのだ。尖閣や対馬、北方4島、沖縄の問題は対策を練るためにかえって金がかかる代物だ。敵対する側とこちら側で両者がこれはお金になる、というシステムが出来れば解決に向かうかもしれないが。