前提として書いておくが自分は政治が好きだ。その上で選挙の時によく棄権するのはダメだ、とか力説する人がいるがこれはもはやあまり意味がないと思うのだ。
例えに出して悪いがもしAKB48の選挙が15歳以上の日本人全員の参加が必須で貴重な日曜に学校まで投票に来ないのは日本人として絶対ダメだ!などとAKB48に熱を上げているオタに言われたって「どうでもいい」「入れたい人がいない」ではないだろうか。
政治に興味がない人にとってAKBの選挙と国政選挙は大差ない。この前提で衆院の選挙結果は語る必要があるだろう。
と言うのは政治活動家は無関心層が大挙して選挙に参加すれば自民党ではなく野党のどこかに入れるはず、という前提で選挙後の感想を述べる人が非常に多いからだ。
日本の政治好きは大別して自民派かアンチ自民派に別れるが無関心層は心情アンチ自民派でありどうせまた自民が勝つんだろ、というあきらめから投票所に向かわない、と彼らは考える。反原発や消費税反対がこれだけ多いのに選挙になると自民になるのはこういう事だと。しかし現実は無関心層はどこまでも無関心なわけでAKBの次のセンターが誰になろうがそういう事に危機感を感じて投票所に向かうことはない。
無関心層にはその典型例である安直な政策批判がある。曰く原発は危ないから反対、消費税はお金が減るから反対、憲法を変えると戦争になるから反対、今の首相は顔が好みじゃないから支持しない等々。こういった層は投票所に行かない人たち(50%)の更に半数程度がこれだと仮定すると無差別の世論調査の約25%は批判ではなくただの感想だと認識する必要がある。
何が言いたいかというと世論調査はこの投票所に絶対行かない層の分を差し引いて考える必要があるという事だ。予想される争点として消費税10%があるがアンケートでは大体70%が反対となっている。そのうち25%の無関心層の大半が反対だと仮定しよう。これに加えて選挙に行かない残り25%の7割が反対だとすると選挙に行く派では賛成と反対が拮抗する事になる。
消費税10%に7割が反対だから野党が大勝するはず、と踏むマスコミは選挙結果が予想外に信任する形になった場合再び「民意が反映されていない!」と騒ぐだろう。
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日本の野党とそのシンパが頼りなさすぎて一向に2大政党にならないのは野党が総じて選挙に行かない5割の人々の感想を優先して政策を決定するからだ。はなから生涯野党という工作員側の人は別にして選挙に行く人は程度の差こそあれ政治に関心がある。同じ消費税反対でも経済政策にマイナスになると踏んでの人と生活が苦しくなるという人では意味が違う。
この様な見方をするといかに大手の世論調査というものが健全な野党勢力の育成を阻んでいるかが分かるだろう。同時にこれらを活用する様政治家に吹き込んでいるのは視聴率一辺倒業界からやってきた大手広告代理店なのだから救いがない。