トリCのブログ

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ネットは広く浅くでもあるが狭く深くでもある

2010-08-24 02:51:23 | 社会

 バブル時の日本は広告代理店に代表されるマスコミ主導の「広く浅く軽薄に」が初めて認められた時代でもあった。


 


それまでの日本は狭く深いものが良しとされ、とある専門分野でそれなりのポジションにつくにはなんとかで10年、更にその先の技術に10年、到達する頃には仙人になっている様な仕事が多かった。


 


それがバブル時に簡単に誰でも資本(親からの遺産でもOK)さえあれば一気に金持ちになれるノウハウがある事を多くの人が知った。相対的に狭く深くと言われる仕事に就く情熱は失われ広く浅い仕事がもてはやされる事になる。


 


しかしそういう仕事は専門性がない為誰でも出来、つまり時給の安い方にどんどんと流れる。これがアジア諸国に流れていき結果時給戦争に敗れた日本は現在傾き始めているわけだ。


 


ところでネット社会は広くて浅いのだろうか。調べる気になれば異常に深いのもネットの利点ではある。しかし恐らくは大半の人にとって浅いツールである事は間違いないだろう。


 


図書館には調べる気になればいくらでも深い所まで到達出来る情報量はあるが大半の人は自分の興味のあるジャンル以外は表紙をなめるだけだろう。それと同じことではないだろうか。ただ単にわざわざ図書館まで出向いて足を使って調べていたものが短時間で出来るようになっただけなのだ。


 


情報の整理と結論は結果として昔に比べれば非常に短い時間で出来るようになった。本来はその余った有効な時間を違う実生活に使えれば結構な話であったのだけど知れば知ったでより関連情報を集めたくなるのが人としての性なのかもしれない。結果として一日中図書館にいる人が増えたのが今の状況と言えるだろう。