自民の右派ではアメリカに顔が利く代わりに中国に通じず、民主では中国と上手くやりそうではあるがアメリカを困惑させ、その落とし所が今回の自民左派の台頭なのかもしれない。自民の左派は戦後を一番謳歌してきた集団で東アジアの妙な安定に貢献してきた事は間違いない。ただ俺の感覚では妙なのだ(この感覚を下のほうで書く)。この自民左派は世界でも稀な例だと思うのだが腰を異常に低くし大金をばら撒き東アジア各国の政権を安定させ長期計画を可能にさせ世界で最も経済が活発な地域を作り上げた。
この考えの最終目的は周辺国経済を安定させる事で人々を豊かにし欧州西側の様な高いレベルでの政治・経済・安全保障を日本を含めた東アジアで実現するところにある。その為、その過程での各国の政治的不安定は好まず民衆の不満の捌け口を日本ならアメリカに、韓国なら日本とアメリカに、中国なら日本に、と言う様に容認してきた。
これにはマスコミも非常に(異常に、とも言う)協力的でマスコミ的アジア(つまりは極東アジア、日本除外)のイメージアップに自ら積極的に貢献。特にNHK、朝日系列などがこういったテーマに熱心でこれが反日政策で売る国に媚を売っているようにしか見えずここ10年で大きくマスコミの信用度を落とす結果となっている。
今回自民総裁に福田さんをマスコミが強く押すのはこの「新大東亜共栄圏」とも言える長年の日本の外交路線を間違いなく踏襲するだろう人物だからであり小泉・安倍→麻生と続くなら「新脱亜論」方面にいくわけでこれはもう勘弁願いたい、となる。
つまり福田氏になれば左派思想の運動家の反日をベースにした活動も容認されマスコミの親アジア報道も加速され東アジア諸国も反日をベースにしながら日本から大金が転がり込むという戦後レジームシステムが復活するわけだ。
しかし安倍首相などの若い政治家にこの構図はどうにも馴染まないはずだ。そもそもこういったシステムは親である日本が子供である東アジア諸国よりも圧倒的に経済的・身体的(つまり軍事的)にパワーがあって成り立つ話である。5歳の子供がお小遣いが貰えなくて親に殴りかかろうが「おお、イタイイタイ(笑)」と言いつつ全く痛くないのと同じ年齢構成で可能な話なのだ。
しかし今や中国は日本を楽に凌駕出来る軍事力を持ち経済でも近い将来日本を越す勢いだ。これを家族に例えるなら親がそろそろ定年退職し子供が親の収入を超え体力でも圧倒し始めている家族構成だ。普通この年齢になれば子供は完全に一人立ちし反抗期はとうに過ぎ親に育ててもらった事を感謝しつつ家族を支える責任感を持つものである。ところが現実的に東アジアを見回すと未だに親の収入をあてにし金を出し渋ると中学生の様な反抗を見せる子供ばかり。これが冒頭部で俺が書いた「妙」のポイントなのだ。ここの家族おかしいって。
子供も子供だが個人的には親の甘さがここまで子供を増長させたというのが多くの若い世代の感覚であると思う。いつまでも上手くいかなきゃ親のせいでもあるまいにゆとり教育が大好きな第三者(朝日新聞)が「そうだそうだ、親が悪い」とこれまた子供を甘やかす。
福田さんを押す実力派議員にはこういった認識が少なからずあるはずなのに尚も子供が心配で心配でならないようだ。年をとると30歳の成人でも子供に見えてしまうのであろうか。その過保護が子供(もう30超え)をダメにしついでに親もダメだと思う人が多いというのに。