前日、ワシはいつもどおりゴロゴロゴロしている親方様の横で転寝(うたたね)をしていた。親方様は仕事をしていない時はみっともないくらいだらしない。今日もパンツ一枚になって、冷たいお茶を飲んだり、コーラを買ってきては飲んでいた。時々シャワーを浴びに行っていた。扇風機をガンガン回して、それはそれなりに涼しそうであったが、ワシらは毛がびっしり覆われているので暑くてたまらん。だから口をあけて舌を出して「ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ」と体温調整をするようになっている。しかしこの暑さではなかなか調整も聞かないようだ。そこで、シャワーを浴びてからだを冷やした親方様がゴロッと横になると、其の冷たい体にぴたっと密着し親方様から冷気をいただこうとした。ところが、親方様は「暑ーい、暑ーいぞ虎」といって突き放す。わしは負けずにまた密着する。また突き放された。親方様は体が冷たいだけじゃなく、心も冷たかったのだ、と悟った瞬間、ワシはかんかん照りのバルコニーに飛び出していた。そして親方様に当てつけのように、一番陽が当たる場所に横たわり、恨めしげに親方様を見つめていた。
そして親方様と目が合った。親方様は「ギョッ」としたような目でしばらくワシを見つめていた
そしてすべてを悟ったかのように「おいで、こっちにおいで、明日行こうね、ごめんね」と涙を流しながら擦ってくれた。
翌早朝、ワシと親方様はアイランドシティーの中央公園を散歩していた。朝早いので人も少ない。ワシは一目散に池に向かって飛び込んだ。
「良かった、ミミと遊ぶことはできなかったけど、久しぶりに行水(ぎょうずい)ができた。このままズット水の中で涼むぞ」と決心した。
あの親方様の声が聞こえるまでは。
「虎、何時まではいっとんね、もう帰るバイ」
そして親方様と目が合った。親方様は「ギョッ」としたような目でしばらくワシを見つめていた
そしてすべてを悟ったかのように「おいで、こっちにおいで、明日行こうね、ごめんね」と涙を流しながら擦ってくれた。
翌早朝、ワシと親方様はアイランドシティーの中央公園を散歩していた。朝早いので人も少ない。ワシは一目散に池に向かって飛び込んだ。
「良かった、ミミと遊ぶことはできなかったけど、久しぶりに行水(ぎょうずい)ができた。このままズット水の中で涼むぞ」と決心した。
あの親方様の声が聞こえるまでは。
「虎、何時まではいっとんね、もう帰るバイ」
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