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Book『奇跡の経営 ~一週間毎日が週末発想のススメ~』

2011-09-17 | リーダーシップ・マネジメント
奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ
クリエーター情報なし
総合法令出版



読書の秋。
この三連休は、読もうと思って買ってあった本を何冊か読む予定。

その中の1冊目はこちらの本。

P1の訳者まえがきの一行目に衝撃的なコメントが書いてある。

「この本は、世界一コントロバーシャルな(論争を巻き起こす)本です」

その理由は、本書を読み進めていくと、分かる。

およそ、私達が「会社」「組織」という概念で考えている常識が全て打ち破られるから。

この本は、ブラジルのセムコ社(従業員3,000名、売上2億ドル以上)CEOであるリカルド・セムラーが書いた本。

なんと、セムコ社には、通常の会社では存在するもの(ゴール、理念、長期計画、組織図、階層、人事部、、、など)が一切ない、という。

それでは、どうやって会社を運営しているのかというと、

「社員を信頼し、コントロールすることを止め、会社は社員がやりがいを見つけ本当にやりたいことができる環境を提供すること」

に徹している、という。

組織は6-10人ほどの小さなグループで社員自らが自分達で管理できるようになっており、何か大きな問題が起きたら、社員全員で解決策を考える。

リクルート時代に教わった、「社員皆経営者主義」と似た志を感じる。

本の中には、一見非効率なようにみえて、社員のロイヤルティを醸成する方法が随所に書かれてある。

たしかに、アメリカを筆頭にした「数字で管理された成長主義」のやり方とは一線を画す、新しい経営手法である。

私も個人的には、「一人ひとりの人間の尊厳を尊重する」という大前提には賛成である。

そもそも、「人間の尊厳を尊重」できなければ、人事という仕事はできない。

しかし、この会社のやり方を全ての会社が取り入れることは現時点ではかなり難しいに違いない、とも思った。

なぜならば、それは、人は「個人を認めてもらいたい。自由に好きなことをやらせてもらいたい」と願う一方で、客観的な指標(ゴール、長期計画、目標)によって自分の成果を人に伝え認めらているから。


著者は、文中でGEについても触れている。

「GEのジャック・ウエルチ氏のリーダーシップスタイルが、必ずしもGEに安定的な企業の持続性を生み出すものだったか、というと話は別です。GEは今後も存続するのか?GEの全盛期は過ぎた。長期的な視点で言えば、カリスマ性のある中心的なリーダーより、持続性のある組織のほうが重要。この二つが一致することは稀なのです」