東京リサーチ日記

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正社員にサービス残業と超過残業・・・

2013-07-25 00:00:00 | 情報・日記
 2013年7月25日、経営判断のミスで大赤字になったので、ベテランアルバイトを首にしたら仕事が回らず、その場しのぎで正社員にサービス残業と超過残業を強いることになり、あまりのひどさに当局の立ち入り調査を受けててんやわんやになっている。これは零細町工場の話ではない。正社員だけで10万人以上を擁する巨大企業、日本郵便の話である。言うまでもなく、郵政民営化で発足して所得税などの税金で資本金を投入した日本郵政グループの郵便事業会社であるのだ。さる2011年12月上旬から日本郵便では前代未聞の異常事態が続いている。関東の有力支店(旧・普通局)である越谷支店(埼玉県)と船橋支店(千葉県)が、労働基準監督署、監督省庁である総務省、さらには自社の監察部門から立ち入り調査を受けるという事件がおきたのだ。この労基署と総務省の調査の主たる目的は職員の超過勤務とサービス残業で、同じく監察部門は大量の郵便物を配らずに廃棄したという不祥事に対してのものである。越谷支店と船橋支店では現場職員のサービス残業と、労使協定で定めた月間残業時間「三六協定」の規定残業時間を超える残業が横行しており、それでも配りきれない郵便物を廃棄していた疑いが出たため、監察部門までが動き出したのだ。この配りきれない郵便物の廃棄は刑法や郵便法違反の恐れがあり、犯罪だ。こうした一連の調査を招くきっかけとなったのが、赤字転落後の人減らしであるのだ。日本郵便は、設立からの2年で約1000億円の累損を出した日本通運との共同設立会社JPEXを実質的に救済合併するという、信じがたい経営判断により大赤字を出す苦境にあるのだ。何故、約1000億円の累損を出した企業に手を出したのか・・・そこで、赤字縮小策として白羽の矢を立てたのが人件費削減だ。とりわけ、手のつけやすい非正規雇用社員の雇い止めは即効策として重宝された。2011年4月以降、65歳以上の非正規雇用職員は契約更新せずとの方針で、全国で1万人以上の首を切ったのだ。そうしたベテランを一気に首にしたのだから、現場が大混乱に陥るのは火を見るより明らかだったのだ。これは国営だろうが民間だろうが経営判断を誤れば破滅の道に進むことは言うまでもない。また日本郵便にはタウンメールと呼ばれる、所管区域内の全戸にDMを配布するサービスがある。ところが、ある支店では、大手保険会社から請け負った7万通のDMのうち8000通を配りきれず、廃棄してしまったのだ。無理に新しいサービスを進めないで廃止にして無理のない経営計画を立てるべきであろう。また、ある支店は本社に対して「全戸数よりもDMの数が多くて余った」と説明している模様だが、現場職員は「人手が足りなくて配りきれなかっただけ。十数人も調査に来ていたが、現場に聞けばすぐわかることだ」という。ある支店の言動は責任逃れに他ならない。所得税などの税金を資本金投入した日本郵便の経営陣は素人の官僚なのか・・・(佐々木和夫)