東京リサーチ日記

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一番いいのは経済の建て直しであることは言うまでもないであろう・・・

2012-08-31 00:00:00 | 情報・日記
 2012年8月31日、ギリシャ国債のデフォルト(債務不履行)危機が深刻化している。世界恐慌の引き金になるのでは、との危惧が強まっているのだ。ギリシャのGDPは30兆円で、日本(500兆円)の6%、神奈川県(32兆円)とほぼ同じである。そんな南欧の小国が世界を揺るがすのかと疑問もあるかも知れない。2008年のリーマン・ショックでは、民間金融機関一社の破綻が原因になって世界中がダメージを受けた。リーマン・ブラザーズの負債総額は約65兆円。それに対してギリシャ国債残高はおよそ32兆円だが、影響を受ける欧州の各国の債務を考慮すれば、ギリシャ国債のデフォルトはリーマン・ショック級かそれ以上の破壊力があるのは確かである。これは現在、ギリシャがユーロ圏に入っている状況での中である。もしもギリシャがユーロ圏に入っていなかったら、どうだろうか。いまのような財政危機に陥った場合、当該国は経済立て直しのために金融を緩和する。すると、その結果として通貨は安くなる。通貨安は輸出振興をもたらし、経済が持ち直す。実際、ギリシャという国は過去200年で平均すると2年に一度くらいの割合で経済苦境に陥っており、そのたびにドラクマの調整で凌いできたのである。どちらがいいかは、両方とも一長一短がありどちらがいいとはいえないものがある。一番いいのは経済の建て直しであることは言うまでもないであろう・・・(佐々木和夫)