山口知事選、山本氏やや先行

2012-07-23 07:23:21 | 選挙

がんばれ飯田哲也さん

 29日投開票の山口県知事選について、朝日新聞社は21~22日に有権者に電話調査し、取材による情報と合わせて情勢を探った。自民、公明が推薦する新顔で元国土交通審議官の山本繁太郎氏がやや先行。同じく新顔で「脱原発」を訴える環境NPO代表の飯田哲也氏が激しく追っている。
 
 有権者の半数、無党派層の6割が投票態度を明らかにしておらず、情勢が変わる可能性もある。

 投票態度を明らかにした人を分析すると、山本氏は自民支持層の8割を固め、公明支持層にも支持を拡大。飯田氏は、民主支持層、無党派層のそれぞれ4割に浸透している。

 元民主党衆院議員の高邑勉氏は民主支持層にも浸透し切れていない。元県課長の三輪茂之氏は厳しい。

■オスプレイ搬入、7割「反対」

 一方、同時に実施した世論調査では、23日に予定される米新型輸送機オスプレイの米軍岩国基地(山口県岩国市)への搬入に「反対」は69%で、「賛成」の12%を大きく上回った。女性の「反対」は79%で、「賛成」はわずか5%。男性の「反対」は57%で、「賛成」は21%だった。
 
 また、中国電力が計画している上関(かみのせき)原発(同県上関町)の建設についても、「反対」が71%で、「賛成」の11%を引き離した。女性の「反対」は74%、「賛成」は8%。男性の「反対」は67%、「賛成」は15%だった。
 
     ◇

 《調査方法》 21、22の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、山口県内の有権者を対象に調査した。世帯用の電話と判明した番号は1411件、有効回答は999人。回答率71%。
 


格差残す年金統合案 民間目線の改革を目指せ

2012-07-22 16:02:48 | 政治

公務員の生活が第一のシロアリ党

会社員の厚生年金と公務員らの共済年金の統合問題で、格差の障壁になっていた共済独自の職域加算は結局、形を変えて残りそうだ。政府の有識者会議がまとめた報告書は、職域加算を新たな上乗せ年金に移行させるのが適当とした。格差是正が目的のはずの会議は衣替えしただけの公務員優遇を温存した。切り込み不足と言わざるを得ない。

 共済年金を廃止し統合する法案は今国会で衆議院を通過した。だが2015年10月の統合後も共済年金の事務組織は残り運用はそれぞれの組織が行ういびつな仕組みになる。共済年金保険料は半分が税金であり、運用を誤ればさらなる税金が投入される。統合は名ばかりとの批判がぬぐえない。実施までに時間はある。同じ器にするなら厚生年金目線に立つ改革を行うべきではないか。

 ■退職給付差400万円■

 法案は、共済年金の保険料率を厚生年金の最終的な保険料率と同一水準(18年に18・3%)にまで引き上げ、遺族年金を受給する配偶者が亡くなっても孫や父母らに引き継がれる共済年金だけの特例も廃止する。

 このあたりは評価出来るが、官民格差はそれだけではない。人事院調査では、民間の退職金と企業年金を合わせた10年度平均が約2547万円に対し、国家公務員の退職金と職域加算を合わせた平均は2950万円。民間より約400万円多い。

 有識者会議は400万円の解消を焦点に検討。統合の前月までに段階的引き下げを決めた。それにより退職金と年金上乗せ分の合計額で官民の水準を合わせるというが、問題は上乗せ年金保険料の半分が税金だということ。これが公務員優遇の温存といわれ民主党内にも批判が根強い。さすがに上乗せ分は現行の月平均2万円より下げる方向ではある。

 ■上乗せなくても同水準■

 そもそも公務員だけなぜ上乗せ年金が必要かという問題がある。政府は民間の企業年金に相当と説明するが、企業年金があるのは6割ほど、しかも大企業中心。中小・零細は、あっても保険料負担に青息吐息だ。公務員は上乗せ年金がなくても民間の企業年金も含めた退職給付と同水準であり、国民は納得しない。

 厚生年金に移行する共済年金の積立金額が妥当かどうかの疑問もある。共済年金の積立金48兆円のうち移行させるのは半分程度。残りは統合前から職域加算を受給しているOBへの支払いに回すという。

 厚生年金は現在1人の受給者を現役2・4人で支えている。共済年金は1・5人とより厳しい。にもかかわらず、税金投入で厚生年金より給付が厚く有利になっている。公務員OBは統合後の厚生年金で支えることになる。厳しさを増す共済年金の財源を厚生年金財源で希釈すると勘繰られても仕方ない。共通財源になっても、積立金取り崩しの事後検証は明確にしておくべきだろう。

 ■国の「富」の総量増やせ■

 今月、厚生・国民年金の積立金残高が11年度末で113兆6千億円と発表された。2年前より9兆円減。本年度も8兆9千億円の持ち出しが計画され、残高100兆円を割る恐れもある。積立金を給付に回すのは政府の既定方針だが、ここ3年の目減りペースは想定外の急ぎ足だ。サラリーマン賃金が下がり続け見込んだ保険料収入が得られていない。

 全国576の厚生年金基金は積立金不足が1兆円を超え、政府は基金制度の廃止へ本格検討に入った。老後のよりどころ・厚生年金をめぐる動きが慌ただしい。見通し違いを批判するより、将来の給付を減らさないため国の「富」の総量を増やす努力が必要との専門家の指摘がある。

 野田佳彦首相は「社会保障制度を安定させ将来不安をなくすことで過剰な貯蓄が消費に回る経済効果がある」と一体改革の意義を説くが、将来不安は急速な少子高齢化と生産年齢人口の減少に有効な手を打てなかった失政のツケでもある。

 先の専門家の指摘はつまり経済成長である。物価と賃金が下がり続けるデフレこそ「老後の安心」をむしばむ元凶。国は今こそ本腰を入れ、将来を見据えた政策に踏み込まなければならない。  (大塚 潤三)


鳩山氏「シロアリ退治隊がシロアリに…」 首相を批判

2012-07-21 23:23:39 | 選挙

民主党の菅直人、鳩山由紀夫両元首相が21日、相次いで野田佳彦首相を批判し、苦言を呈した。

 菅氏は名古屋市での講演で、野田首相と最近、原発再稼働をめぐって交わした会話を披露。菅氏は「『野田さん、あなたは国民の怒りの対象になっていますよ。分かっていますか』と言うと、野田さんは『え、そんなことになっているの』と言っていた」と明かした。菅政権で脱原発依存路線を掲げたことをふまえ、「いついつまでに原発をゼロにする、という方針を明確にすべきだ。これは党としての責任でもある」と政権にクギを刺した。
 
 一方、消費増税や原発再稼働について政権批判を繰り返す鳩山氏は、北海道浦河町での国政報告会で「野田首相はミイラ取りがミイラになるように、シロアリ退治隊がシロアリになってしまった」。民主党がシロアリ退治に例えていたムダ削減よりも、消費増税を先行させている、と批判。「増税前にシロアリ退治をやろうと一番強く主張していたのは野田首相だった」とも指摘した。(


増田元総務大臣が野田首相の原発政策批判

2012-07-21 23:15:25 | 政治

 増田元総務大臣はTBSの番組「時事放談」の収録で、野田政権が関西電力・大飯原発3、4号機を再稼働しながら活断層の調査を始めることについて「わからない」と厳しく批判しました。

 「今になって(調査を)やり直す、その間に大飯を再起動してしまった。そこが本当によくわからない」(増田寛也元総務大臣)

 増田氏はこのように述べ、野田総理がこれまで必要性を前面に押し出して原子力発電の再稼働を進め、今になって活断層の調査を始めることを批判しました。その上で、「去年の3・11の福島の事故前のことは全て疑ってかからないといけない」と強調しました。(


硫化水素に心不全予防効果、細胞の老化抑える

2012-07-21 15:19:39 | 医療

 火山ガスなどに含まれる硫化水素が心臓の細胞の老化を抑え、心筋梗塞の悪化を防ぐ働きがあることを、九州大、熊本大などの研究グループが突き止め、20日発表した。

 心不全を予防する治療薬の開発につながる可能性があり、今回の研究成果は米科学雑誌「ネイチャー・ケミカルバイオロジー」電子版に掲載された。

 心臓の血管が詰まるなどして心筋梗塞を発症すると心臓内に大量の活性酸素が発生し、心不全につながることは知られていたが、その具体的なメカニズムはわかっていなかった。

 西田基宏・九州大准教授(薬理学)らの研究グループは今回、マウスを人工的に心筋梗塞の状態にして心臓内の変化を分子レベルで観察。その結果、心臓内で大量に発生した活性酸素が細胞内の核酸と反応し、新たな酸化物質を生成。これが、細胞を老化させるたんぱく質「H―Ras」を活性化していたことが判明した。