1滴の血液から大腸がんの診断

2012-07-13 08:57:26 | 医療

早期診断できれば医療費の削減になる

1滴の血液から大腸がんの指標となる四つの物質を発見し、それらを使った診断法を開発することに、神戸大大学院医学研究科(神戸市中央区)などのグループが成功、12日付の米科学誌プロスワンに発表した。従来の方法では診断が難しかった早期の大腸がんでも見分けられ、早めの治療につなげることが期待できるという。


 大腸がんは食事の欧米化などに伴って増加傾向で、国内では年間約4万5千人(2010年)が死亡。肺がん、胃がんに続き、がんによる死因の3位となっている。

 早期の大腸がんは治療できる可能性が高いものの自覚症状がない。検査では便を採取して血液の有無を調べたり、がんが出す血中のタンパク質を調べたりするが、いずれも見つけにくかった。

 グループは大腸がん患者60人と健康な60人とを比べ、アミノ酸の一種「アスパラギン酸」など4種類の物質について、いずれもがん患者の方が平均2~3倍多いことを発見した。

 さらに、別の大腸がん患者と健康な人のそれぞれ約60人で検証すると、従来のがん指標となるタンパク質では早期がんの1割程度しか診断できなかったが、4種類の物質を使った診断法では8割以上が診断できた。

 同科の吉田優准教授は「今後、4種類の物資を使ってさらに簡単に診断できる機器をメーカーと共に作り、実用化させたい。胃がんや膵臓がんなどの早期診断法も開発したい」と話す。(金井恒幸)


<胆管がん>厚労省が労災時効凍結 全国労働局に指示

2012-07-13 08:16:08 | 報道

 胆管がんの発症者が全国の印刷会社で相次いで発覚した問題で、厚生労働省が全国の労働局に対し、胆管がんで労災認定(補償)の申請があれば、時効の判断をしないよう指示したことが12日、同省への取材で分かった。死後5年の遺族補償のほか、実施日から2年の休業や治療(療養)補償などについて、現行の時効の解釈を事実上、凍結したことを意味する。従来より大きく踏み出し、弾力的に運用する可能性を示したかたちだ。

 同省によると、47都道府県にある労働局に対し、「胆管がんでは時効の起算点が変更される可能性がある」と通知、従来では時効とされる申請でも「門前払い」しないよう指示した。

 労働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付の時効は通常、死亡の翌日から起算。5年が経過すれば受給権を失う。また、休業、療養、葬祭費などの補償は、それらの翌日から2年が時効とされる。

 しかし、今回の問題で患者側は「落ち度なく労災に気付かず権利を行使できなかったのに、時効は補償を不当に奪う」と主張。同省自体も、印刷職場で胆管がんが発症しやすいことを知らなかったと認めていた。

 今回、同省は時効の起算点について、民法では「権利を行使できる時」としていることを重視。労災保険法では起算点が明記されていないため、専門家による同省の「胆管がんの検討会」が、業務と胆管がん発症が関連すると結論付けた時点を起点とすることを検討しているという。

 毎日新聞の取材では、色見本をつくる校正などが業務の大阪市の印刷会社の発症者12人のうち、5人(いずれも死亡)は現行の時効の考え方では、全ての補償を受けられない。残り7人(うち死者2人)も、現在療養中の1人を除き、休業、療養、葬祭費など何らかの受給権を失っている。現在、この1人を含む6人が労災申請している。【大島秀利】


省エネ基準義務化で「中間とりまとめ」

2012-07-13 06:04:18 | 自然エネルギー

経済産業省、環境省と国土交通省は7月10日、2020年までにすべての新築住宅・建築物に省エネルギー基準への適合を義務付けることなど、住宅・建築物の省エネ、省CO2対策を進めるための施策の方向性の「中間とりまとめ」を公表した。省エネ性能については、一般の人にもわかりやすいように、建物の断熱性能だけでなく、設備効率や創エネルギー、蓄エネルギーの効果も総合的に評価できるように、エネルギー消費量(一次)を尺度にした基準に改正。基準への適合義務化は、建物規模ごとに達成率に応じて段階的に進めていく。
 
 省エネルギー基準の改正時期に関しては、非住宅については2012年度中、住宅についても2012年度以降早期に施行することを工程表に明記。これにあわせて、住宅性能表示基準も見直す。ゼロエネルギーレベル、ライフサイクルカーボンマイナス(LCCM)レベルなど複数の水準を設定する。
 
 義務化水準は、見直し後の省エネ基準を基本に、達成率などを勘案して設定するとした。
 
 伝統的な木造住宅についても、日射遮蔽・取得や通風利用など地域特性に合った工夫の省エネ効果を評価する方法などを検討する。