プクプク日記 観劇 映画 落語 スポーツ観戦 読書の日々

今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

中島淳彦「丸茂芸能社の落日」

2016-06-03 15:11:21 | 日記
「劇団道学先生」20周年記念公演 池袋シアターウエストでの公演です。私、平日昼の部で入ったのですが、場内は満員。大したものです。
物語は、大阪万博が終わったころ。70年でしょうか。宮崎の寂れた映画館「丸劇」が舞台です。かつては隆盛を誇った「丸茂芸能社」ですが、いまや、社長 その娘と甥の3人で細々「丸劇」の営業を続けています。従業員も雑用係のおばさんが1人いるだけ。「丸劇」 ロードショー館ではなく、2番 3番館 あとは、旅回りの一座の実演をかけることもあります。
そんな「丸劇」に、東京の映画会社のプロデューサーが訪ねてきます。彼は、斜陽となった映画界に「ポルノ映画」で新風を吹き込もうと、かつて映画監督だった森という男を探しにきたのです。森という男、今は「丸劇」で映写技師をしていますが、いまさら、東京に戻る気はないようです。明日からは、一座の実演が始まるのですが、現れたのは、3人だけ。座長と喧嘩別れした妻と、チョイ役の女優 もう1人は、フィリピンからの不法入国者。そこに現れたのが、弱小芸能プロの社長と若い女性歌手。社長 この映画館とは古い付き合いのようで、必死に売り込みます。そこに、今度は、かつて社長に金をだまし取られた演歌歌手も現れます。みんなが騒動のタネをもって登場。で、この後、事態がどうなっていくのか・・・・という話。
中島淳彦の筆は、これだけの騒動を2時間ちょいで、きちんとまとめてみせます。このあたりは、さすが手練れです。ラスト間近 雑用係役の歌う「朝日のあたる家」は、お見事の迫力でした。