巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
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夢探し

2016-11-27 12:05:38 | 
時代を鮮明に映す鏡に
僕の姿はどう映ったのだろう
歓喜に湧き上がるスタンド
僕はその中心で自分を見失った

あの瞬間、時代は動き寸断された
耐え忍んできた重圧から解放され
共に戦ってきた僕の存在は無と化し
新たな波が激しく押し寄せてきた

新たな時代の幕開け、世代交代
人は簡単にそんな言葉を使う
僕達が僕達であった時間
悔し涙に明け暮れた日々
ひとときの勝利に酔いしれたあの時
すべては古き佳き思い出として
過去のものと片付けられてしまった

失われた今を僕はどう生きればいい
当たり前に進んできた道を見失った僕は
新たな道を見出そうと足掻き、途方に暮れ
全身を覆い尽くす喪失感を振り切れずにいる

もっと単純に生まれてくればよかった
普通より複雑にできている僕の心は
変化の瞬間を敏感に捕捉してしまう
周囲の熱気とは裏腹に
僕の心は冷め切ってしまう

夢が単なる夢だった頃が懐かしい
夢が現実になった瞬間
夢の終りが訪れる
人生とは何とも皮肉なものだ
何かを成し遂げるために生きてきたのに
今、その余韻に浸ることもなく
新たな夢を見出さねば生きていけない

僕は苦悩している
僕は煩悶している
僕は落胆している
僕は消耗している

僕は青色を湛えた空一面にこの焦燥感を訴えかける
答えなど何も持たぬ、何も与えない空に向けて

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