巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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四半世紀を越えて

2017-02-24 23:06:56 | 
あなたに会えてよかった

その一言が僕をどれだけ救ったか
この世に生きていていいの?
人生に煩悶する僕に肯定感を
与えてくれたのは君だった

道行く人々の表情は誰も楽しそう
金曜日の夜だ、無理もない
地下鉄の車内もお祭り騒ぎ
僕は人混みという掃き溜めに埋もれる

僕は君に生を吹き込まれ
遥か未来に想いを馳せ
一歩ずつ歩いてきたけど
やはり周りが何も見えない
そんな虚しい夜もあるさ

君に会えてよかった

僕は返し言葉で自己肯定感を得る
かつて素直に返せなかった心の内

君にまた会うことはあるのかな
あれから四半世紀が過ぎたよ
とても信じられないね
君に会うことはもうないだろう

今の僕なら君の優しい言葉を
社交辞令と切り捨てていたかな
駆け引きなど知らぬ若さが
言葉に文字以上の力を載せた

地下鉄の駅に飲み込まれていく
雨風を凌ぐつもりが強風に曝される
誰かが無様な僕を見て爆笑しているのか
僕がこの25年間拠り所にしてきた言葉
僕は暗唱する、暗唱する、心の中で叫ぶ

あなたに会えてよかった

今もう一度、心を真っさらにして
君の救いの言葉を聴きたい
誰に批判されようと
誰に無視されようと
誰に馬鹿にされようと
僕が生きていていい理由を再確認するため

恋愛哲学 〜「美」の定義〜

2017-02-24 03:12:03 | 
真夜中に熱いコーヒーを淹れよう
眠らせないよ、意地悪な僕
君の本気が見たいから
僕が本気になりたいから

誰も深く考えなかった美意識
僕は自分を覆い尽くす空気の美について考える
空気も我々も等しく質量を有する
我々人間と空気は同じ物質同士であるにも関わらず
我々は空気を穢し
空気は我々を癒す

世の中の不条理というものは
概ねこんなところに端を発する

人間世界に思いを馳せると
大抵「美」から遠ざかる
そもそも僕が言う「美」とは一体何だ

「美」を定義せよ

僕は眠れない君に指令を下す
そろそろ眠気が収まったかい
僕は君と「美」について語り合いたいんだ
僕の真意は伝わったかな

君と共通の価値観を持ちたい
僕はそう思っている
けれど、もし朝が来るまで
初めて聴く君の哲学が僕の哲学と
相容れないとしたら
僕は君を闇に葬らなければならない
僕は僕を切り刻んで君を自由にしなければならない

こんなスリリングな恋愛は今回が初めてだ
さあ、目を覚まして「美」の定義を始めよう

君を取り巻くオーラ
何故に君は美しい?