巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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すべてを受容する覚悟

2017-02-18 23:04:07 | 
真空の夜空がカッターで切り裂かれていく
明滅する星々が衝突と破壊を繰り返す

僕達は今、星空を見上げている

ああ、そうだ
僕は単なる点だった
線にも面にもならない
でもこの世にたったひとつの点だった

僕のことを笑いたければ
思う存分笑うがいいさ
馬鹿にして、嘲笑すればいい

僕が点であるのと同様に
君も点以上の何者にもなれない

悔しかろう
哀しかろう
切なかろう

でもこれがすべての真実で
これ以上も、これ以下も存在しない

僕がこの現実を受け容れているように
君もこの事実に早く気付いたほうがいい

僕も君もとてもちっぽけな存在で
でもこの世に存在するという事実は
割と喜ばしいことなんだ

南の島から鳥達が手紙を届けてきた
これは遥か彼方にいる誰かの遣いだな
度胸があるのなら君が読むがいい
なければ僕が躊躇せず読もう

僕にはいろんな覚悟ができている
君と暮らす覚悟も
象に踏み潰される覚悟も
消しゴムで消される覚悟も
この世から存在を抹消される覚悟さえも

君と一緒にあの空を飛行船で飛びたい
世界中の無数の点を上空から眺めてみたい

さあ、僕が手紙を開くよ
これでこの先の僕達が決まる
どんな事実も僕は受け容れる

その瞬間、この世からひとつの点が消えた

そして新たな点が世界のどこかで誕生する

時の終わりに

2017-02-18 21:09:45 | 
今日は日曜日
外は悔しいほどに晴れわたり
少し肌寒いけれどいい日和

そんな日は
いくら寝ても眠いのだ
耳栓せずともシャットアウト
風の音も、誰の声も聞こえない
僕はこのまま永眠してしまうのか

やっとの思いで布団から這い出す
リビングでは騒音を撒き散らすTV
どれもこれもくだらないコンテンツ
小説でも読むか、それとも書くか

と思っていたら、指先が痺れる
ああ、まるで別人の手のようだ

ペンが執れないんですが
そうですか、困りましたね
終わってますか
終わりですね

そろそろ終活ですか

そうかもですね

僕は
「最高の人生でした」
と言って終わりを迎えたい

何かやり残したことはないか
胸に手を当てて
真剣に考えてみると
案外やり尽くした感がある

タコ飯も食えたし
トマト鍋も食えたし
お好み焼も食えたし
なんか、食=人生みたいな

このまま終活ですか

そのようですね

あとは君を食うだけで終わりです