- 「己を征服する」日常の訓練法 -
香港の読者の方から、こんなコメントをいただきました。
安岡正篤の「己を征服する」という言葉の解釈がとても深く、現代人の心の葛藤に寄り添った内容ですね。
特に感情を否定せずに受け流すという合気道的アプローチは示唆に富んでいます。
感情と行動のバランスを保つ「自己コントロール」を実践する上で、最も効果的な日常的な訓練方法はどのようなものだと考えますか?
実は私、学生時代は剣道部で「間の取り方」を毎日のように稽古していました。
打ち込む前の呼吸、相手の動きを感じる間合い、
それらは、まさに「一呼吸おいて選ぶ」ための訓練だったはずです。
ところが大人になった私は、感情の場面になると、その間をすっかり忘れてしまうことが多かった。
だからこそ、この質問は私にとっても“自分に返ってくる問い”でした。
自己コントロールは「瞬間の反応」ではなく「日々の準備」
感情に振り回されないためには、
その場しのぎのテクニックだけでなく、
日常での小さな準備や習慣の積み重ねがものを言います。
合気道でいう「受けてから流す」、
剣道でいう「間を取る」は、
いきなり本番でできるようになるわけではありません。
毎日の中で、“自分の心と行動を観察する習慣”を積み上げることが必要です。
日常でできる5つの訓練法
1. 感情に「名前をつける」
イラッとしたら「これは怒り」、
ザワザワしたら「これは不安」、と心の中でつぶやく。
感情をラベリングすると、自分と感情の間に距離が生まれます。
2. 呼吸スイッチ法
反射的に動きそうになったら、鼻から3秒吸って口から6秒吐く。
これだけで交感神経が落ち着き、冷静な選択がしやすくなります。
3. ミニ選択練習
日常の小さな場面で「ちょっと考えてから選ぶ」練習をする。
たとえば、昼食を決めるときに5秒待ってみる。
小さな場面の積み重ねが、本番での冷静さを支えます。
4. 感情ログ
一日の終わりに「今日の感情ベスト3」とその理由をメモ。
パターンを知ることで、次に備えることができます。
5. “間”を身体で思い出す
剣道や合気道をやっていた人は、その構えや呼吸を数十秒だけ再現する。
武道経験がない方も、立ち姿や深呼吸で「動かない間」を体に刻むことができます。
習慣化のコツ
自己コントロールは、一発勝負では身につきません。
大切なのは、日常で繰り返し“感情と行動の間にワンクッション置く”こと。
私は、剣道で学んだ間合いを忘れていた時期が長かったけれど、
こうした小さな習慣を取り戻すことで、
少しずつ「選べる自分」に戻ってきたと感じています。
それでも、まだまだですが。
まとめ
感情をなくすのではなく、感情とともにいながら行動を選ぶ。
そのためには、日々の生活の中で“心の稽古”を続けることが欠かせません。
そして、自己コントロールの土台になるのは「自分軸(価値観)」です。
自分にとって何が大切か、どんな状態がベストか、
それを明確にすることで、感情に飲まれそうなときでも戻る場所ができます。
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