坂道のある散歩道を下り、今度は少~~~~し足を延ばして「陶彫(とうちょう)のある商店街」へ。案内してくれるのは小判で出来た招き猫様。でも小判と言うよりも巨大なうろこ・・・(^^;)
小判猫さんの近くで見かけた瀟洒な佇まいの邸宅、陶板タイルの表札には「伊奈」の文字。
大小の陶板とタイルで作られた門に塀・・・この近くには「INAXの企業博物館:INAXライブミュージアム」があります。もしかしたら関係者の方の住まいかも。
ミュージアムにも寄りたいけど商店街も行きたい・・ああ、少しづつ昼間の明るさを失ってゆく初秋の一日が恨めしい。
「あっちこっち寄り道ばっかりしてるからだよ!」
「いや・・お前、それ言っちゃったらダメだろう?」
と・・狛犬さんのフォローを背に「陶彫街」へと繰り出す二人。公式サイトによれば「とこなめ中央商店街の路地に、市内の作家等から無償提供された陶彫約150体が設置され・・以下略」
紹介した画像はほんの一部ですが、有難そうなモノから可愛らしいモノ、不思議なモノ等々・・・実に多彩な陶彫たちに出会える事が出来ます。そうそう、常滑焼 と まねき猫~Ⅱ~ で紹介した「七福にゃんこ様」も、陶彫作品のお仲間なのです。
町中に鎮座される「白龍神社」、御祭神は『白龍大神』
由緒も謂れも不明ですが奉納された幟は色あせてもおらず、神域を守護される神獣さんも、良い表情の常滑焼の狛犬さん一対。大切にお守りされているのが伝わってきます。
町中を流れる「郷川」。ゆらゆらと揺らめく水の面は不思議なほど優しく、柄にもなく郷愁を誘います。
歩みを止める時間が惜しくて、兎に角歩き続ける二人、ふっ・・とお茶の良い香りに誘われて見上げれば、鏝絵の寿と急須の暖簾が目を引く「お茶の寿園 本店:七福弘法茶屋」。
店主らしき方にお声をかけられて店内に足を踏み入れた瞬間、どうして立ち止まったのか・・解ったような気がしました。特定の宗教に属さない私ですが、子供の頃から「弘法大師=おだいっさん」は常に身近な存在として日々の暮らしに溶け込んでいました。柔和な笑みを浮かべる弘法大師座像・・手を合わせ首を垂れるのもすっかりと習い性になっていました。
さらに、店の名前でもある日本最大級の陶彫大七福神のお像も拝見させて頂きました。
「弁財天」と「毘沙門天」
「大黒天」と「布袋尊」
「寿老人」と「福禄寿」
そして七福神の中で特にご贔屓の「恵比寿天」。御存知ですか?七福神の中ではこの恵比寿様だけが唯一の日本の神様なんですよ。何しろ大国主命の御子神ですから(*^^*)
その後も、美味しいお茶の接待を頂きながら、常滑焼の色々、また町歩きの最初に目にした「陶彫七福神」の発起後援人である事など、沢山の興味深いお話を聞かせて頂きました。
一期一会の素晴らしい出会いに感謝です。
輝きを失い始めた空の色に急かされるように、最期のお目当ての「本町大正館」へ。
大正8年(1919)に「中埜銀行常滑支店」として竣工。昭和13年(1938)に伊藤銀行常滑支店、昭和16年から昭和33年まで東海銀行常滑支店として。その後幾つかの変遷を経、2006年に「本町大正館」となり、常滑中央商店街の交流スペースとして活用されています。
町歩きの途次で見つけた陶彫の鍾馗様と屋根の上の鍾馗様
ご亭主殿が一生懸命にカメラで捉えていた鍾馗様ですが、時間の流れは容赦なく、少しずつ・・少しずつその容を曖昧にし・・
もうその表情を読み取る事も出来なくなりました。
そうして沈み始めた夕日は、最後の力を振り絞るかのように水の面をオレンジ色に染め上げていきます。
立ち寄りたかった「INAXライブミュージアム」には、もはや夕日の恩恵も無く・・
さぁ、早く車にお帰りなさいと、私たちを促します。
明日からは町歩きの途次・途次に参拝した寺社の紹介です。
訪問日:2011年9月24日
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