英語の知識を活用しますと、フランス語がきわめて身近な言語になります。私ども日本語を母語にする者にとって、英語の語順が日本語と概ね反対になることが英語を頭から理解することを妨げています。つまり英語の学習の多くの時間が意識するしないにかかわらず、この理解の妨げになる言語の構造に費やされています。もし英語の語順でそのまま理解できるのであれば、日本人はもっと簡単に英語を習得したのではないかと思います。
フランス語の場合も同様で、日本語とは語順が反対になっています。しかし日本では幸い誰でも義務教育の中で英語を学んでおりますので、そのまま学んだ英語の語順でフランス語を理解すればよいという事をここで再度お示ししたいとおもいます。
フランス語の聖書のマルコの福音書の4章4節に以下のような記述があります。
Ecoutez : un semeur sortit pour semer. Or comme il répandait sa semence, des grains tombèrent au bord du chemin ; les oiseaux vinrent et les mangèrent.
直接訳すことも可能ですが、英語に置き換えてみますと以下のようになります。
Listen: A sower went out for sowing. Now as he spreaded his seeds, the grains fell to the edge of road; some birds came and ate them. (seedもgrainも同じ種ですが、ニュアンスは違いますが、ここでは無視します。)
フランス語文と英文を比較してみますと一字一句と言えないまでも、まるで単語を置き換えただけで、語順はまるで変わりません。英語から日本語へ訳しますと、以下のようになるとおもいます。
(筆者訳)聞きなさい:種まきをする人が種をまくために出かけました。さて彼が種をまきますと、その実は道端に落ちました。;複数の鳥が来てそして種を食べてしまいました。
(新改訳聖書)よく聞きなさい。種を蒔く人が種蒔きに出かけた。蒔いているとき、種が道ばたに落ちた。すると、鳥が来て食べてしまった。
同様にマルコの福音書4章1節でも同様な変換ができます。
Autour de lui, la foule s'assembla si nombreuse qu'il dut monter dans une barque. Il s'y assit. La barque était sur le lac et tous les gens, tournés vers le lac, se tenaient sur le rivage.
Around him, the crowed themself assembled so many that he had to get into a boat. He himself sat there. The boat was on the lake and all the people faced to the lake, staying on the riverside. (si....queは英語のso....thatにそのまま当てはまることが解りました。siは必ずしもifではないということもわかります。)
(筆者訳)彼の周りに、多くの人が集まり、あまりにも多くの人であったので、彼は船に乗らざるを得ませんでした。彼はそこに座った、船は湖に浮かんでおり、多くの人が湖に向かって、岸辺に陣取りました。
(新改訳聖書)おびただしい数の群衆がみもとに集まった。それでイエスは湖の上の舟に乗り、そこに腰をおろされ、群衆はみな岸べの陸地にいた。
フランス語の聖書を毎日(土日は除く)読むことを自分に課して1年近くがたちました。またフランス語を学び始めてこの9月で4年目を終了するのですが、フランス語の学習になる以上に聖書の学びになっており、またフランス語の学び以上に英語の学びになっているということがわかり、一石三鳥を体験しております。この秋にはモントリオールに行く予定にしていますので、フランス語で街中の散策を楽しめればと願っています。
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