このごろは、インターネットでアマチュア作家さんの小説ばかり読んでいたので、プロが書く作品に手をつけていませんでした。
今日は久しぶりに図書館へ行って、気になる本をたくさん予約してきました!
『ゆれる』 西川美和・著(ポプラ社)
オダギリジョー主演の
映画が公開中ですね。映画の監督さん自身が、小説を書いているようです。
映画を見ようと思っているので、本屋で冒頭部分だけチラッと目を通してみたのですが、思いのほか面白かったので、じっくりと読みたくなりました。
普段、映像で表現をされているせいでしょうか、服装やしぐさなど、言葉ではないもので主人公の心情を伝えようとしていて、小説家が書く作品とは、ずいぶん味わいが違います。
そのため、状況描写などを細かく書き込みすぎて、違和感がゴツゴツと引っかかってくる部分もあるのですが、とにかくそんな細かい違和感なんてどうでもよくなるくらい、描かれている情景が、詩的で美しいのです。
岩がゴロゴロ転がっているけれど、新鮮な空気が吸える山道にいるような感じです。
『風に舞い上がるビニールシート』 森絵都・著(文藝春秋)
児童文学出身の作家さんなのですね。今年、直木賞を受賞されるまで、まったくお名前を知りませんでした。
この方の旧作が面白かったと、友達から聞いていたので、こちらも本屋でチラリと立ち読みを……。
真夏でも、ちゃんと襟のあるブラウスを着ているような、きちんとした清潔感のある文章だったので、最後まで読んでみたくなりました。
予約待ちは、私の前に33人! すごい人気ですね。
『夜のピクニック』 恩田陸・著(新潮社)
こちらも
映画化されるのですね。
第2回の
本屋大賞を受賞した作品とあって、図書館での順番待ちがものすごくて、ほとぼりが冷めるのをガマンして待っておりました。
現在、この本を予約しているのは、私のほかに1名だけ! やっとブームが落ち着いた感じです。
私の中では、恩田さんは「若い子が読む作家」というイメージが強いので、読むのはなんだか気が引けますが……ともかく楽しみです。
※2006年の本屋大賞受賞作、『
東京タワー』は、ドラマ放映中止の影響とかで、また人気が過熱しそうなので、今回は予約するのを見送りました。
『東京奇譚集』 村上春樹・著(新潮社)
こちらも発売当初に本屋で立ち読みを……(本屋さん、ごめんなさい!)
そうしましたら、小説本編の前に、思い入れたっぷりの前書きが添えられていました。
なんだか中華料理を食べに行ったら、いきなり前菜に豚の角煮がお出ましになったような感じで、それだけでお腹いっぱいになってしまい、本編までたどり着けずにいたのです。
しかし、味の濃ゅ~い中華料理って、ときどき無性に食べたくなるのですよね。
サントリーの
黒烏龍茶を片手に、読んでみたいと思います。
↑いっぱい予約をして、今日借りてきたのは、
『号泣する準備はできていた』江國香織 ・著(新潮社)の一冊のみ。
『
間宮兄弟』を立ち読みしたときにも感じたのですが、最近の江國さんの作品からは、かつてあったような、身体まで沁みてくるような情感が抜け落ちてしまった気がします。
『号泣…』は、短編集なのですが、「さあこれから面白くなるぞ!」というところで、ぷっつり話が終わってしまうので、なんだか肩透かしをくらったような感じでした。
奥田英朗さんの
『イン・ザ・プール』は、先に本を読むか、映画のDVDを借りるか、迷ってます。