発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

令和と昭和最後の日と平成元年の思ひ出と統一地方選にまつわるエトセトラ

2019年04月04日 | 日記
◆令和
 そういった名前の人もいるだろうな、と。万葉集からとったらしい。私の昔の姓は、ごく凡庸な字面だが、高校の頃その文字列を『史記』で見つけたときはちょっと驚いた。「ごく小さな国」の例えで、それでも戦う、という文脈の中にあった。そう考えるとちょっとカッコいいが、でもやっぱり中国古典由来の可能性は薄い。

◆昭和最後の日
 1989年の年が明けて数日、ついにきたか、といった感じでやってきた。会社は休みで、予定通り下関に出掛けた。ラジオは特別番組が組まれ、第二放送の教育番組さえ中止である。それで、車の中では佐野元春をガンガンかけていた。店はそこそこお客さんがいたが静かだった。音曲自粛、BGMのない百貨店というのもシュールであったが、めげずに買い物をした。

◆平成元年のおもひで
 ゴールデンウイークに中国に行った。はからずも天安門事件のちょうどひとつき前となった。観光客は広場に降りられないもののデモをたくさん見ることができた。シルクサテンに美しい刺繍が施された旗袍を買った。
 秋には福岡のアジア太平洋博覧会「よかトピア」に行った。フィジーのダンスを観たのと、1985年筑波科学万博で列が長くて行けなかった企業パビリオンの中身がいくつかそのまんま来てて並ばずに入れたのは良かった。会場の百道浜地区は交通不便で、それは福岡に慣れてないせいだろうか、と思ったが、住んでみてやはり不便だと思う。野球やイベント(球場は川ひとつ渡った地行浜にある)のたびに大渋滞を起こす。少なくとも都心としての機能は持たせられないと思う。というか、他が便利過ぎるのよね。ターミナル駅から地下鉄で5分で空港国内線なんて町はめったにない。山口宇部空港はJR宇部線草江駅の前にあるから電車と飛行機の連絡が合えば便利だけど本数は少ない。


◆統一地方選
 窓の外では統一地方選、声を涸らして統一地方選、きっと誰かがふざけて選挙のまねをしてるわけでもないんだろう。福岡市中央区は、県知事、県会議員、市会議員とも、無投票当選はなし。区役所に期日前投票に出掛ける。夕方7時をまわっていれば、地下駐車場もガラガラで楽勝である。勤めていたときもなるたけ不在者投票していた。日曜にわざわざ地元の投票所に行くより、出勤前に会社近くにある市役所で出張とかなんとか適当な理由をでっちあげてさっさと投票するほうが効率的だった。
 バスを待っている駅前で演説していたら、候補者に敬意を表して演説後に拍手するようにしているが、多くの場合私は票にならない選挙区外住民である。ウグイス嬢、ひょっとしてプロに違いないような滑舌美声の方もいらっしゃるが、そういった方が感情を込めると、北のニュースのアナウンサーのようになってしまう。静かではないがそれもまた民主主義である。

 何度も書いている。なぜ選挙に行かないのか。ほかの人に決めさせていいのか。自分の投票でちっとはましになるかもとは考えないのか。広報を見て考えの近い人に投票しないのか。駅前でチラシを本人が配っているときに、少し話をしてみようと思わないのか。
コメント (3)
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