発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

オペラと山笠と、すくらっぷあんどびるど

2019年07月06日 | 日記
◆デパートは残った
 西鉄電車で久留米に行く。オペラだし。喜劇っぽいお話だし。
 電車に乗る前に天神でランチを食べる。ビブレビルの地下にある、揚げ物定食がメインのお店で、いつも満員なのだが、ここも天神コアも再開発でもうじき閉店となる。福ビルはすでに終了、イムズの終了の話はすでにここで触れたことがある。鉄筋コンクリートの建物の寿命が短すぎはしないかと思う。渡辺通をはさんだ向かいのバルコ(旧岩田屋本館)は、長生きしている。福岡大空襲の焼け残り、正確に言えば、米軍が戦後の接収のために残した堅牢な建物である。空襲を受けた各都市で「デパートは残った」話が多いのはそういう事情である。

◆さらば開かずの踏切
 西鉄特急。大橋以南、都府楼前駅(ひと駅先は西鉄二日市)の手前まで、高架化工事が進んでいる。西鉄福岡(天神)駅から大橋まではすでに高架だが、西鉄高架路線の歴史はそれほど古くない。平成になってからである。西鉄天神〜二日市間は過密路線で、それと城南線と呼ばれる道(博多から六本松を経由して西新へ向かう道)が交わる薬院駅前は、踏切があった頃は渋滞しまくっていた。井上陽水の「あかずの踏切」は、薬院駅前説が有力である。今回の高架工事が終われば、近郊のあかずの踏切は激減する。

◆ドン・パスクワーレ
 久留米のザ・グランドホール。久留米井筒屋が撤退したあとに建てられた。
 シルクシャンタンや総レース、久留米マダムたちが華やかに装っている。久留米から八女あたりのマダムの特色としては、上等の(おそらくは久留米)絣をワンピースやチュニックに仕立てて着ている人が結構いることだ。地元愛であるなあ。
 ホールは、まだ新しくて、木の匂いがする。声もよく届く。前半はドニゼッティの楽しい劇。後半はアリアにどっぷり浸かる。歌うのはスロバキア国立歌劇場から派遣されたソリストたちだ。ライブで聞いてみたかった曲もあってシアワセである。
 終わりに白ブラウス黒スカートの地元マダムたちの集団が入場して、何が始まるかと思ったら世界最古のCMソング、フニクリ・フニクラである。ソリストたちが朗々とソロ部分を、マダムたちはコーラス。いやあ、楽しいなあ。
 帰るときにロビーで歌手たちが見送ってくれたときにびっくりした。
ステージからではあまりわからなかったが、近くに寄ってみると女性を含めた全員が180〜200センチくらいありそうなのだ。どの観客よりも頭ひとつからひとつ半は身長が高い。スラブ民族の特徴なのだろうけど。

 歩いて西鉄久留米駅に戻る。六ツ門と東町の商店街は土曜夜市の準備をしていて、ヨーヨー釣りのビニールプールや、かき氷の器械などが運び込まれていた。岩田屋の食堂街はなんと16時にオーダーストップとなる。新館は去年の暮れに営業終了している。ダウンサイジングが進む。天神一極化が進行しているということなのかと。バスセンターの向かいにはドンキホーテが。これも時代の流れなのか。
 西鉄特急で天神に戻ると、さっそく選挙演説がはじまっていた。


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