発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

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2019年06月05日 | 本について
6月5日西日本新聞朝刊一面全三段


◆新刊は『百姓組頭 井上勝次』
『笑顔の認知症』は、好評販売中。
 さて、来月の新刊の告知をしています。筑前の幕末維新時期、武士というか支配階級の人たちは、大混乱していました。財政難、金融政策の失敗、筑前勤王党の粛正、人材不足、贋札騒ぎなど「それだけならまだいいがッ」案件のオンパレード。
 そんななか、私たちの多くの祖先であるところの農村漁村の人たちは、どんな暮らしをしていたのか、なぜ明治六年に筑前国で10万人とも30万人とも言われる人が蜂起したのか。この小説では、宗像郡のある百姓を中心に、丁寧に追って行きます。
 助け合いながら骨惜しみすることなく働き、それでも年貢に持っていかれ、暮らし向きは楽にならない。不作で餓死者が出るなど想像できるだろうか。村の鎮守の祭りは、収穫への切実な祈りなのだ。
 明治になったらしいが、何が変わるのか。税は重い、徴兵だと?学制だと?働き手はどうなる? 四民平等、何がどうなる? 生活は苦しい。
 全国的に大混乱だったことは想像にかたくないが、上層部が特に混乱していたのが筑前だった。
 ある村人は言った。「明治ちゃあ飢饉のことばい」
 お上は自分たちのことは何も考えてはいない。長い間おとなしく忍従してきた人々の怒りが発火点に達した。
 そして悲劇が起こる。
 仲間や家族を守ろうとした男がいた。これは、誇るべきあなたの祖先の物話、かもしれない。


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