発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

2019年10月の残り

2019年11月14日 | 日記

◆映画「ひとよ」  母帰る

  むか〜しむかし(2004年)海の見える町に、おとうさんとおかあさんと3人の子どもが住んでいました。おとうさんは手加減せずに暴力をふるうので子どもたちはいつも傷だらけでした。ある夜おかあさんは、おとうさんをわざと車でひき、おとうさんは死にました。15年先に帰ってくると言っておかあさんは警察に自首しました。おかあさんは刑務所に入りました。そして15年後、帰ってきました。さて、何がおきるのでしょう?

  母は出所後あちこちを転々としながら働いてそして15年経って帰ってきた。犯罪加害者の家族でありながら被害者の家族でもあるきょうだいたちはその間、想像を絶する辛い日々を過ごしたに違いないのだが、そうは言っても「帰る」のひとことのためにきょうだいはまがりなりにも離散しなかったのだ。

  あのまま暴力親父に好き放題させていたら、いつか取り返しのつかないことになっていただろう。暴力に耐えてりゃなんとかなった、というのも所詮たらればである。順風満帆計画通りの人生なんてありゃしないものだが、過酷な設定だ。

  市内のことのようなのになぜ長男の奥さんが事情を知っていなかったのか、とか、陸運事務所は一体、とか、ツッコミどころはいくつかあるけどね。

  重い映画である。が、それほど辛くはなかった。

  どんな状況にあろうと、人は生きていくのだ。

 「蜜蜂と遠雷」のポスターを二ノ宮知子が書いていたのがあったが、海辺に立つ家族という、この映画のポスターは、すぐに西原理恵子で脳内変換できた。

  主演は佐藤健。若い頃は松坂桃李と見分けるのが大変だった。兄は鈴木亮平、妹は松岡茉優。「蜜蜂と遠雷」の主役ピアニスト栄伝さんがスナックで酔って歌ってる!! 母は田中裕子。怒ってるところがとても可愛い。

 

◆熊本

  震災の前年に行ったきりだった。そのときは町はあまり歩かなかった。市街地とかお城のあたりは10年以上振りだった。まだ銀杏が黄葉していない。熊本城ホール、ショッピングセンター、バスターミナル、ホテルが集まった施設が新しくできていた。用が済んで何か熊本らしいものを買おうと思った。で、買ったのは、「いきなりクレープ」。熊本には「いきなり団子」という、切って蒸したサツマイモの上にあんこをのせて半透明の生地で包んで蒸したお菓子があって、福岡でも普通に売られているが、熊本のお菓子である。昔、夏場に熊本城に行ったとき、買ったかき氷の上に載っていたのを記憶している。そのクレープ版で、外観は普通に売られているような四角く折り畳まれて包装されたクレープなのだが、さつまいもとあんことホイップクリームが生地に包まれていた。超うまいっ!! 地味に売られていたが、熊本土産とはならないか。

 クレープといえば、鹿児島天文館では、自販機で売られていたなあ。 

◆広島

  廿日市(はつかいち)。市役所のあたりは初めて行った。大きなケン玉のモニュメントがあった。今の形のケン玉の発祥の地ということらしい。瀬戸内海がキラキラ光る。それから広島市安佐南区の緑井(みどりい)というところ。可部線は広島から緑井までは本数が多いので、緑井よりも北に住んでいるひとたちがここまで車で来て、ここから電車で広島に通勤する、というのがあるようだ。

 広島で何を買って帰ろう。川通り餅と、もみじ饅頭は定番だけど、近頃は瀬戸内レモンを利用したお菓子が多い。ボストンというお菓子屋さんの、スティック状のレモンの香りのフィナンシェ的なお菓子を買う。あと、タカキペーカリーのレモンピープを買う。タカキベーカリーは広島のパン会社で、冷凍パン生地をあちこちに卸している。JR九州の駅にあるトランドールのパン生地もタカキだ。確かベーカリーレストランチェーンのサンマルクでパン職人さんがストを起こしたので、冷凍生地で対応するようになった話を読んだことがある。最終製品パンも福岡で売っているが、レモンピーブは福岡では売ってない。外観は、ひところ流行ったチーズ蒸しパンの小型のような感じのフワフワしたお菓子で、とてもおいしい。


 


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