発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

スマホ

2018年04月15日 | 日記

◆奨学金

 奨学金(という名の教育ローン)返済滞納や奨学金破産の話題は枚挙に暇がないが、高卒で食えないことの方がおかしい、ということになぜ話が行かないのか。少子化で先細りが見えている教育産業への忖度か? 大卒者が増えてもホワイト正規雇用の絶対数がそれに比例して増えてくれるわけではないのだ。進学率は問題を解決しない。

 とはいえ進学率が上がり、世の中たくさん勉強した人が増えるのは良い事であると思う。ところが大学生の半分はまったく本を読まないのである。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180227-00000010-jij-soci 読書時間0分ということは、紙の本に限らず電子本も読まないということね。そういう人たちは何をもって学位を取得しているのか。

 とある九州の私大の全面広告に「一日3242円の自由と責任」というのがあった。その私大の平均年間納付金を365で割った金額なのだそうだ。土日や長期休暇を除いた上で日割りすると、その倍くらいになるのではないか。そこまでの価値を見いだすことができる人に来いということか。とりあえず、サボってる場合じゃないわね。

◆スマホ賛成

 と、ポスターで爽やかに微笑む竹内涼真くん。だが、スマホを使いすぎて、入力情報を前頭葉で処理できずに大事な情報が取り出せないスマホ認知症が増えているそうだ。

 私が電車やバスで見かける限りでは、かなりの人々がゲームをしているのである。スマホを出していると、何か調べごとや連絡をしているように見える。だが、おじちゃんもおばちゃんもおにいちゃんもおねえちゃんも、多くはゲームをしてるのだ。もちろん私は他人の時間や脳の使い方についてどうこういう立場のものではない。ただ思う。これだけの人々がゲームをしている時間と頭を人類の明るい未来のために使ったら、世の中はどんなに良くなるだろうか。

 ということと、たとえが正しいかどうかわからないが「パンとサーカス」ということばが浮んでならないのだ。考えない人々を誰かが意図的に増やそうとしている思考停止システム。

 スマホは便利だ。バスや電車に乗ってあちこちに行くが、時刻表も地図も要らない。JR九州はハンディタイプの時刻表を改札でくれるが、バスは路線が入り組んでいるし改定時期もまちまちなので紙の時刻表など無理である。だがスマホさえあればすぐ検索できる。西鉄バスにいたっては、運行状況、つまり1時間に1本しか来ないバスはもう行ってしまったのか、それともすぐ来るのか、遅れているので、バス停前のコンビニでコーヒーくらいは買えるのか、瞬時にしてわかる。

   便利なひみつ道具は、時間を節約するものであり、大事な人生の限られた時間を奪うものであってはならない。あるいは自分の思索をする時間を削るものであってはならない。

 竹内涼真くんが微笑んでいるのは、ギャラを貰っているからだ。で、おばちゃんは思う。竹内、仕事は選べ。

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