発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

吉澤ひとみはどうしてタクシーを使わなかったか

2018年10月01日 | 日記

◆仕事と人生をやめたかったからかと

 飲酒ひき逃げした元アイドルのタレント女性が引退発表した。いろんなメディアに取り上げられていて、何を見聞きしても「あり得ない」というコメントばかりである。お酒が好きでだらしなくても、もしタクシーを使って仕事場に行っていれば、酒気を帯びていても何とか仕事はつないでいけて、最悪、呆れられる失態を演じることはあるかも知れないが、仕事と社会的信用を根こそぎ失う、という事態にはならなかっただろう。確かにあり得ないが、私の考えはこうだ。

 この女性は、おそらくは仕事をやめたかったか、自死したかったかのどちらかか両方だ。

 交通事故は、現場検証、拘留、罰金、免停、免許取消、調停、裁判、示談、入院、通院、治療、謝罪、リハビリ、修理、買い換え、弁償、その他もろもろがいくつも組み合わされて、生活に上乗せされるわけで、ちょっと想像するだけでも面倒臭いことこの上ない。事故は事故というだけに確率でやってくるものだが、その確率をひどく上げてどうするというのだ。酒を飲んで運転することじたい、頭がヘンな状態といえる。「仕事をナメてる」のではなく「仕事をやめたかった」のだ。あるいは生きてること自体を。

 仕事を続けたい、自分が死にたくない自覚があれば、飲酒運転などできはしない。タレントさんとしては取り返しのつかないことだから引退になったのだろうが、事故としては取り返しのつかないものでなくて本当に良かった。

コメント (3)
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