きらく堂日記

鍼灸師の喜楽堂が日々の出来事、過去の思い出、趣味にまつわる話などを綴った日記帳(=雑記帳)です

ボトックス vs デトックス

2012年03月17日 | 健康・養生・鍼灸
 ボトックスは現代医学の治療法の一つで、毒素を体内に注入することで神経や筋肉を麻痺させて行う治療法で、眼瞼痙攣を緩和するためにボツリヌス菌を瞼に注射して顔面神経を麻痺させたり、筋肉を弛緩させて顔のしわを取ることなどが行われています(研修を受けた限られた医師が行っています)。

 一方、デトックスは体内の毒素(というと大袈裟で、老廃物も含めて不要なものと言った方がよい)を体外に排出させることを言います。 
 デトックスというと、「汗を沢山かいて・・・・」という風に言われますが、身体の生理作用で生じた老廃物や、飲食などで体内に取り入れたもののうち不要なもの(毒素と呼ぶかどうかは?ですが)は生理作用で自然に体外に排泄されている訳で、その内訳は75%が大便によって、20%が小便によって、5%が汗によって・・・ということです。
 つまり、大小便で体内毒素(?)の95%が排出されているのです。岩盤浴、溶岩浴、ゲルマ温浴、など汗をたくさんかくことがデトックスに良いと巷で喧伝されていますが、一番はいいウンコといいオシッコをすることなのですね。まずは便秘を無くすということが重要になりますね。

 さらに言えば、体内に吸収されてしまった毒素(?)は肝臓で処理されますので、日頃から肝臓にあまり負担をかけないように、タバコ、アルコール、訳の分からない添加物の入った食品などを避ける習慣を身に着けることが肝心です。デトックスを云々する前に、食べ物・飲み物に注意して体内に不必要なものや、必要なものであっても過剰には取り込まないことが肝要になりますね。

 さて、以前中国の「有毒」食材が問題になって、今はチョット下火になっていますが。
中国産、中国製の食べ物は「もう買わない。」という人もいますが、いちいち産地やメーカーを確認して食物を買うようになったことは良いことだと思います。じつは日本も似たり寄ったりで、日本のほうがハイテクでより巧妙にやっているから問題化していないにすぎませんね。これまでが無頓着すぎたと思っています。

 以前発刊されたAERAに「安心・安全を食べたい」「中国だけじゃない!危ない食卓、すべて公開」「表示のウソホント」「デパ地下は安心か」・・・・など、特集でこの問題を取り上げていましたが。これを見た家内は、これじゃ何を食べていいか分からないじゃないの・・・と嘆いていました。 とはいってももう意識レベルは大分下がって、今は何を食べさせられているか分かりませんが・・・。

 加工食品の食品添加物は入っているのが当たり前ですが、一見何も手が加えられていないと思える食材でも もはや添加物まみれなのですね。脂をインジェクションされたステーキ用の肉、いかにも新鮮そうに見える野菜や魚も例外ではなく、外食産業でこれらが使用されているのは当たり前のことで、また一般の家庭向けにスーパーでじゃんじゃん売られているのですね。

 NHKの特集番組のなかで、インジェクション装置を開発した食品加工装置のメーカの人が「肉が柔らかくて美味しいのはこの装置のおかげなのだ!針でざくざく刺し、おいしい脂を注入する、この日本の技術はすごいのだ!」と誇らしげに話していましたが、何かが狂ってますね。

 アナゴやうなぎ、フグなどの産地表示についても問題化していますが、基本的に資本主義社会の必要悪の部分もあるわけで、気にすべきところは気にし、どうでも良いところは気にせず、選択できる賢い消費者でいたいものです。

 観光地で売られているお菓子や饅頭や海産物だって、なぜこんなに日持ちするのか???ちょっと考えれば・・・分かりますね。ただし、こんなものを食べ続けて60年近くも生きてきた私を例にするまでもなく、人間ってなんてタフなんだろうと呆れますね。おもに肝臓君のお蔭ですね。いくら肝臓が高性能の毒物処理プラントであるといっても、これまで負担をかけすぎてすみません、今後はもう少し楽をさせてあげたいと思っています・・・・が。


<鍼灸マッサージサロン・セラピット>

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