きらく堂日記

鍼灸師の喜楽堂が日々の出来事、過去の思い出、趣味にまつわる話などを綴った日記帳(=雑記帳)です

関東戸山流居合道会 徳冨道場稽古初め

2009年01月11日 | 居合・日本刀
 10日は徳冨道場の稽古初め。昨年は体調不良で9月から年末まで稽古を休んでおり、その間も鍛錬用の重い木刀の素振りなどを時々していたとはいえ、真剣は持たないようにしていたので、久しぶりの稽古にいささか緊張し、気分も高揚して良い稽古ができました。体の動きや、技の切れはさすがに今一で、久しぶりに斬り損じがあったが、まあ体の具合も良く、今年は基本に戻って稽古を積もうとあらためて心に誓いました。練習後は毎年恒例となっている、持ち寄りの餅とお酒で新年を祝いました。

 ところで正月にTVを見ていたら「なにこれ・・・」かなんかの番組の中で、抜刀術について結構放送していて、ギネスに載ったとか、飛んできた軟式ボールを斬ったとかいろいろやっていたが、武道を愛する人間からするとちょっと問題かな・・・。明治になって武家が廃業したあとに、食うために武術を興行とした時代があり、○○流鎖鎌対△△流剣術の試合とかの異種格闘技?や、長刀の居合い抜きとか、据え物斬りの奇抜さ(腹の上に載せた大根を切るなど)、抜刀納刀の速さを見せたり、とかいろいろあったらしいが、なんかそんな大道芸を見ているようで、なんだかなあ・・・と言う感じでした。
 視聴者の多くが「すごいなー!」と思ったのでしょうが、武道家であれば、あんなものを見世物にすべきではなく、登場していた若い方もなかなかの腕を持っているのですが、おそらくTV局に載せられてしまったのでしょう。

 あんなことを続けていたら、「次は8回斬るぞ」とか、こんどは「時速140kmの硬球が斬れました」とかの世界になってしまいます。キュウリを斬る為に胴斬りの練習に励んでいたり、バッティングセンターで抜刀をしていたり・・・する姿が目に浮かんできて・・・そんなものが武道や武術の目指すところではありません。
「武道は大道芸ではありません。」「派手な技ではなく基本の技を磨きなさい。」「武道で金を儲けようと思うな。」などが徳冨先生の口癖で、私もそうありたいと思います。
<鍼灸マッサージサロン・セラピット>