秋田県横手市増田町 千葉建築のブログ

秋田県の県南、横手市増田町の工務店、(有)千葉建築のブログです。
よろしくお願いいたします。

よく遊び、よく学ぶ

2016-06-02 06:00:00 | 歴史と文化
6月2日(旧暦4月27日 干支=乙卯 九星=一白 六曜=赤口)


おはようございます。横手市増田町の工務店、千葉建築です。


すでに話のネタが尽きはじめ、いつまでこのブログを続けられるかは、私自身の意地と意欲の問題となっています。

正直なところ、仕事そっちのけで書いている方が気も楽ですし、読んでいただける方々にもそういう気持ちをご理解していただければ幸いです。


今日のこよみのページを見ていると、「光琳忌」とありました。

江戸中期に活躍した、尾形光琳(1658~1716)の命日です。

尾形光琳の名を知らなくても、その作品を見れば、見たことのあるものも多いかと思われます。

「燕子花図(かきつばたず)」「紅白梅図」「風神雷神図」といった絵画をはじめ、「八橋蒔絵螺鈿硯箱(やつはしまきえ らでんすずりばこ)」などの工芸品、「小袖 白綾地秋草模様」は着物にペイントしたものなど、さまざまなものをキャンバスにして、非常に艶やかかつキュートな作品を残しています。

ちなみに、今あげた作品群は、いずれも国宝及び重要文化財に指定されています。


尾形光琳は京都の呉服商「雁金屋」の次男として生まれ、光琳が30のときに父が亡くなり、兄が当主となりました。

光琳は父の遺産を分配されると、生来の遊び人魂がエスカレートし、京の都という華やかな都会を舞台に、遊び三昧の日々を続けました。

やがて、雁金屋の経営は破たん状態におちいり、光琳も遺産を使い果たしてしまいます。


「これはやばい」と思った光琳は、芸術こそ我が道とばかりに、画業に専念することとなりました。

先にも述べたように、絵は紙のみにあらず、家業の呉服に描いたり、陶芸家でもある弟の尾形乾山の皿に絵を入れたり、箱や扇子などにと、多岐にわたる作品が作られていきます。

花が題材の作品が多く、その色彩とデザインの優美性は「琳派」とよばれる一派の形成につながり、後のオーストリアの画家クリムトにも影響を与えるなど、東西問わずに人々をとりこにしています。


江戸という新しい都市、大坂という経済都市ではなく、天皇のおわす千年の都である京都がバックグラウンドが大きいかと思います。

元からの教養に加えて、遊びの中で身に着けたセンス、高官・文化人などの交友関係などが、創作活動に影響を与えたと考えられますが、それが国宝クラスの評価を得ることは、やはり本人の才能によるところだと思います。


先日、東京に出張したとき、帰りの飛行機までの時間を上野の東京国立博物館で過ごしました。

本館の和洋折衷様式、表慶館の洋式建築と、建物自体も素晴らしいものでしたが、国宝・重要文化財クラスがそこかしこと並ぶ、収蔵品の数々は圧倒されるものでした。

感動のあまり、東洋館にあるミュージアムショップにて、「日本美術五十選」と「東洋美術100選」を購入し、日本美術のほうに光琳の作品も紹介されていました。


国宝は英語で「National treasure」、重要文化財は「Important culture properties」というのを、そこで知りましたが、今まで戦乱や災害で失われてきた数々の遺産、まだ知られていないが、これらと同等の価値のある遺産などを思うと、果てしない世界のように思えます。

そうした中で、現実に残された国宝の数々を目の当たりにすると、歴史・文化のすばらしさ=人間のすばらしさを感じます。

ここにずっといたいと思いましたが、危うく飛行機の搭乗時間に遅れそうになったため、後ろ髪をひかれながら羽田へ向かいました。


東京国立博物館 本館 重要文化財


東京国立博物館 東洋館


東京国立博物館 表慶館(西洋館)重要文化財


同じ上野の国立西洋美術館が、建築家のル・コルビジェの作品群の一つとして、ユネスコの世界文化遺産への登録が勧告されたニュースがありました。


国立西洋美術館

その少し前には、日本橋三越本店が国の重要文化財に指定されるとも聞き、個人的にうれしいニュースが相次いでいます。

増田の伝建地区もそうですが、近代建築物の価値を評価して残し、活用していくことは、歴史と文化の継承において重要なことであると思います。

先日は中に入る時間がなかったので、今度は上野にずっと滞在し、夜はアメ横のガード下の飲み屋で遊興に浸りながら、歴史と文化に浸りたいと思います。


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