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道路の決着 を読んだ。 道路民営化の抵抗勢力に憤慨

2010年12月09日 00時03分36秒 | 読書評
道路の決着 (文春文庫)
猪瀬 直樹
文藝春秋


道路の決着を読んだ。猪瀬直樹氏の道路公団民営化のドキュメンタリー。
ここのところ小説ばかり読んでいたので久しぶりにリアリティびしばしの
しっかりとした文章を読んだように思える。

小泉内閣の当時、郵政民営化と並んで、国交省の天下り先の
本家とも言える、道路公団の民営化は、政治主導で進められた。

自分の当時の記憶もだいぶ薄らいできていたが、ニュースや
新聞誌上で猪瀬氏の奮闘ぶりが、鋭い口調から伝わってきたのを
覚えている。

当時、その負債額の大きさ40兆円という借金がいくら道路公団とは
言え、返済できるのかと疑いの思いがあった。
猪瀬氏の鋭い指摘で、税金、通行料から年間の収益を計上させ民営化
することによってそれが可能ということを知った。
それでもその天文学的な借金の返済は、不可能では思わずにはいられない。

そんなか猪瀬氏は、民営化委員会のなかで吠え、暴れていたのを思い出し、
その甲斐あって、今の民営化された道路公団がある。

このドキュメントで読み取れるのが、公団の体質の阿漕さである。
委員会で招集された、公団の面々は、意味のわからない答弁を
繰り返していたが、この本にはその利権を守るための閉鎖的な
副総裁、職員の主義、子供じみたわがままが記述されている。

道路公団の利権というものは、呆れるばかりで、累積赤字は
毎年3000億円の税金により補填をし、高速料金で多大な
剰余金を積み上げ、ファミリー企業へばらまき、そこへ天下り
し、多大な給与、退職金を得ていた。ファミリー企業への
工事委託、運用業務の委託は、入札といえど98%の成約率
で談合を平然とこなす。

ファミリー企業含め、有り余った金をもとに研修所と称する
保養所をもち、その購入費用1000億円を越える。
そこにも職員を置き、重要なポストには、公団から天下り
である。

これは、一種、シンジケートだ。綴じた世界の私利目的のお役人
たちの集まりで、この様な馴れ合い、税金は自分たちの会社、生
活向上のためにあるように捉えているところが、理解できない。

民生委員としての猪俣氏は、民営化にあたり道路族議員、公団幹部、
公務員などの過剰な反対にあいながらも、建設費の無駄と公団民営化
後の分割に勢力を注ぎ込むその様は、強い意志を感じる。

それにしても、民営化と談合をなくすと10兆円規模で建設費が
減っていくところが不思議でしようがない。如何に税金の無駄
使いが大きいさを痛感した。




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