寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第2710話) 座ろう

2018年12月04日 | 出来事

 “一年ほど前、しゃがもうとしたら足腰に強い痛みが走った。整形外科に通って痛みは取れたが、今も少し足元は不安定だ。けれど一人で出歩くのが好きで、毎日つえなしでスーパーやデパートに行っている。
 先日久しぶりに娘と出掛けた。満員のバスに乗って娘と背中合わせで立っていたら娘の前の席の男性が「座りますか」と声を掛けてくれた。座るつもりはなかったが、娘はお礼を言って私を座らせた。それから四つ目の停留所でバスを降り、娘に「なぜ座らせたの」と聞くと、「高齢者が立っていてバスの揺れなどで転んだら迷惑がかかる。譲られたら座って」と。今まで他人の厚意を無にしていた自分に気付いた。これからは一区間でもためらわずに座ろうと思った。”(11月13日付け中日新聞)

 名古屋市の主婦・河原さん(82)の投稿文です。電車やバスなど乗り物の座席についての投稿は多い。身近な話題だからであろう。若者が占めている優先席、譲ったのに断る人、強引に割り込む人の話などいろいろ出てくる。要は相手の気持ちにどれだけ寄り添えるかであろう。
 譲られて断るなどは、余程の理由のない限り止めて欲しい。相手は勇気をふるって譲ったのである。ここで断られたら、その後どう振る舞っていいか、困惑してしまう。もう2度と譲る気などなくなるだろう。いつまでも若い気持ちでいるのもいいが、場合による。特にバスは転倒の危険がある。席が空いていたら若い人も座った方がいい。そして混んできたら譲ればいいのである。
 電車の車内は観察していると面白い。座っている人の両側が空いている。皆さん最初は適当な間隔を空けて座るからこうなる。そこへ二人連れが乗ってきた。サッと席をずらす人もいれば、知らぬ顔のままの人もいる。ボクは席をずらした人に好感を持つ。混んでいてもリュックを背負ったままの人も多い。先日、リュックを前にかけた人を見た。これなら迷惑は少ない。要はどこまで人を思いやれるかであろう。


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