吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

誰?

2015-05-25 13:50:38 | 日記
たまに立ち寄るマックで、窓側の席に座って、コーヒーを飲みながら本を読んでいたら
いきなり、窓の方で、どん!という音がしたので、反射的に見ると
学生服姿の男の子が、両手を広げて窓に張付いて、中を覗き込んでいます。

 わ!

驚いて、声にならない声を上げて驚く私。

見詰め合う、見ず知らずの目と目。

ぽっちゃりした、眼鏡の子。
何処のクラスにもいそうな、いたって普通の、目立たない感じの子。

誰?誰?誰だっけ?
私の知り合い?
近所の子でもないし、勤め先のお店にくる子でもない。
やっぱり、知らない人?

私の頭の中が、大急ぎでぐるぐる回っている間
彼は、私と、私の向こうの、誰も座っていないテーブル、そして、店内をじろじろと見回すと
窓ガラスから離れて、何事もなかったかのように、向こうへ行ってしまいました。

なんなんだよう。

何とも表現しようのない、腑に落ちない気持ちで彼の背中を目で追うと
突然振り返る彼。
しまった、視線に気付かれたか。

今更視線を外しても仕方がないので、黙って彼を見ていると
彼は、今度はその辺を蛇行しながら、時々ちらちらとこちらを横目で見ています。

やっぱり、知り合い?
いやでも、まったく記憶がない。

例えば、店の奥に知り合いがいると勘違いしてお店の中を覗き込んだのだとしたら
こんなに何度も私と目が合うだろうか。
私だったら、勘違いだったと分かった時点で
照れ臭さと恥ずかしさで、何度も相手と目を合わせるなんて事は出来ません。

彼には、照れ臭そうな様子はまったく窺えず
かといって、知り合いに見せるような、気を許した表情も見せません。

誰なんだよう。
なんなんだよう。

結局、彼はその辺を少しの間歩き回っていたかと思うと
いつの間にか、何処かへ行ってしまいました。

怖いとは思わなかったけど、不可解な出来事でした。