吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

「特にこだわってるわけじゃない」そうだ

2013-08-25 21:27:45 | インポート
居酒屋なのに、『こだわりのラーメン』の“のぼり”をあげたお店があって
インチキ臭いんだけど、妙に惹かれるものがあったので、行ってみました。

整理されているような、されていないような、微妙な厨房には
60歳くらいのおばちゃん(もしかしたら、もう少し若いかも)と
気も利かず、愛想もない、イマドキ風のロン毛のお兄ちゃんの2人。
店内は狭く、カウンターに4席と、小上がりが4つほど。

お品書きは、焼き鳥などの串物に、サラダやおつまみ等
あきらかに居酒屋のものばかりで
最後の方に、やっと「ラーメン」の文字を見付けました。

念のために、聞いてみる。
「お味は選べるんですか?」
すると、厨房のおばちゃんから、予想外の言葉が返ってきました。
「うちは焼き鳥屋で、ラーメン屋じゃないから
 ラーメンが食べたかったら、この通りの突き当たりにラーメン屋があるから」
おばちゃんは、お店の前の通りを指さしました。
しかし、ここで黙って「突き当たりのラーメン屋」に行くわけにはいかない。
「『こだわりのラーメン』という“のぼり”が出ていたので、ここへ来たのですが」
「ああ、“のぼり”を買いに行ったら、あれしかなかったのよ
 ただの『ラーメン』って書いたのが欲しいったんだけど
 これしかないって言われちゃって」
「はあ」
「やっぱり目立つ?
 たまにあれを見て入ってきちゃう人がいるんだけど
 うちは焼き鳥屋だから、ラーメンには特にこだわってないのよ」

でぇーーーーーーー!

なんてこざっぱりした、気持ちのいい人なんだ!
好きだ、おばちゃん!

「ラーメンをください」

「いや、でもうちのラーメンは、普通のあっさりしたラーメンで」

食べさせたくないのか、“のぼり”を出しておきながら。

「いえ、折角だから、食べてみます」

「お口に合うかどうか」

大丈夫だ!
作るあなたにこだわりはないかもしれないけれど
食べるこっちにもこだわりなんて全くないから!
とにかく、ラーメンを出せ。

「うちはね、焼き鳥屋だから、焼き鳥は美味しいんだけどね」

分かったから、ラーメンを出せ。

このようなやり取りの後に、私の前に運ばれてきたラーメンは
確かに、あっさりした醤油ラーメンで
懐かしい、「あの白い粉末」の味がしました。
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ところで、「あの白い粉末」と言えば
うんと昔、「食べたら頭が良くなる」という噂がありましたが
あれって一体、なんだったんだろう…。