適材適所の会 新着活動状況

私たち適材適所の会は、「国産材の持続的活用と環境の両立」の大切さを
「木育」を通して訴えていく活動をしています。

「感謝の念。木育(3)」

2009-06-29 08:28:24 | 木の話し
木をプラスティックや鉄と同様に単なる素材のひとつとして扱って、

「森なんざ無くたって食っていけらぁ!木なんか無くたって子供は育つわい!」

なんて森や木に畏敬の念を持たない人が増えたら、結果、先人に感謝の気持ちを持たずに、

敬老の念無き人が随分と増えてしまいました。

それが千年を超える歴史の「木を植え続けてきた国」のわずか最新版30年あまりの現在ではないでしょうか。

まだ稲作の無い、木の実を重要な食料にしていた頃の日本書紀の中にも、木種播きの条という文章があり、

「山に種をまきなさい。八十種類の種を播きなさい」という神様の言葉がでてきます。

それほど昔から我が国は木を植えて、その恩恵に預かるだけじゃなく、その木に触れる事によって

先人への感謝と自分がやらなきゃならない次世代への貢献というモノを明確化してきたんだと思うんです。

だから現状の荒れた我が国の森林の再生がかなうという事は、人間の再生もかなうという事です。

僕らは豊かな再生かなった国土の森林を見る事はかなわないだろうけど、

その頃には生きちゃいないだろうけど  「あの頃の人達が行動したから今の豊かな森があるんだよな。」

って声を草葉の陰で聞く事はできるだろうから、見れなくても頑張り続けましょうね。ではまた。  (加藤)


「感謝の念、木育(2)」

2009-06-27 07:51:30 | 木の話し

今日、樹齢80年の木を伐らせて頂いて私達がその恵みを頂いたとしましょう。

でもそれは80年前に植えて、その間手入れをしてくださった、先人の汗があったからに他なりません。

森はその収穫の頃には植えて、手入れしてきた人が生きちゃいない事があたり前なんですね。

信長のころなら人間50年。昔の人は自分がいくら権力者でも、お金があっても、

その樹齢80年の木を植えた人がいなけりゃ自分は頂けなかったという事を知っていたんですね。

だから先人に感謝してきた。 日本人は木に感謝して先人に感謝し、

お年寄りを大切にする敬老の気持ちを自然に身につけてきたと思うんです。



 室町時代の頃には、植林していた記録がかなりある我が国ですが、室町時代だろうが、

江戸時代だろうが、競争はあったと思うんですよね。

人は競争に身を置くと、気持ちもガリガリ痩せてきちゃって、感謝の念を持ちづらくなります。

だけど先人は、木に触れる事によって、人間のはかなさと自然の偉大さを感じ、

更には先人に感謝する気持ちを持ち続けてきたと思うんです。

木が無きゃ江戸時代の殿様も気づきずらかったと思うんですよね。

木を通して、木が教えてくれる「木育」みたいなものが我が国にはあったと思うんです。 (つづく)  (加藤)





「感謝の念。木育(1)」

2009-06-26 11:48:08 | 木の話し
                                    
 百年に一度の不況下、「会社が繁栄する方法」なるモノを知りました。私も大好きなビールですが、

現在はトップのアサヒビールも、昭和61年樋口さんが社長に就任された頃はかなり苦戦中だったそうです。
 
そんな中、樋口さんはたまたま飛行機で、キリンビールの小西会長と乗り合わせます。

樋口さんはそこで衝撃の話を小西さんから聞きます。

「これからお参りに行くんです。うちは高野山に会社の先輩を祀る供養塔を建てたんですが、
 そしたら業績は上がるばかりか、いいことばかり起こるんですよ。」

 樋口さんは早速、高野山大学で教授をしている友人に連絡をいれます。

「先人をお祀りしていて業績不振の会社はないのか?」

その友人は「あるわけないだろ。バカなこと聞く奴だなぁ。」 と一笑に付しました。

樋口さんはさらに調査をします。その結果は驚くべきものでした。

「先人を大切にする会社で、現在繁栄していない会社はひとつもない!」

 樋口さんは即行動します。アサヒビール発祥の地の大阪の吹田市に「先人の碑」を建設。

そこには、従業員、特約店、販売店さんだけでなく飲食店の方々の霊をも祀り供養祭が行われました。

その直後よりアサヒビールの大躍進が始まり、その収益があのスーパードライという

大ヒット商品の開発費に充てられていったのです。

アサヒさんは、現在でも毎朝、その日に命日をお迎えの方のお名前を申し上げて供養する。

という事を続けられているそうです。



 我が国の森林は国土の66%を占めるという、割合で言うと世界第3位の森林大国です。

だけど全世界の森林面積からみると0.6%にすぎないんですね。

ところが先人によって植えられた森の面積なら、

世界中の人工林の10%に達するという世界一の「木を植える国」なんです。(つづく)  (加藤)



外部にて日本一劣化しない木は?

2009-06-25 11:11:37 | 木の話し
   先日も書きましたが杉の赤身だと思われます。

「思われます。」って頼りないなぁ!!って思わないでくださいね。実際にそれを証明するには

十何年?何十年?かかります。

だから経験と先輩の教えからそうだと知っているんです。

材木人の先輩である「適材適所の会」の事務局をして頂いている小川木材(株)の小川博社長にも

以前聞いた事があります。

「桧と杉の赤身を外にほったらかしにしといたらどっちが長持ちすると思いますか?」

「杉だな。」「やっぱそうですか。」「俺はそう思うな。」

「僕もたくさんの先輩に聞いてきましたが、みなさんそうおっしゃってました。」

「そうか。そうだろな。」

今年の1月、あの有名な三重県の尾鷲の速水林業さんのところにお邪魔した際に、案内してくださった

速水亨氏も 「杉の方が(桧より)長持ち。」 って杉のデッキ材の上で話してくださいましたから、

日本一のブランド桧林業家(速水林業さんの丸太は99%桧です)が認めてくださったので、

今年は僕の中では愛すべき杉は認定チャンピオンから正式なチャンピオンになりました。





これが速水さんとこの外部での杉です。黒心(くろしん)と呼ばれる黒い赤身の杉でした。

すげぇ!でしょ。これが朽ちるにはあと何十年?でしょうか。

もちろん精油分の放出は見てとれますが、まだまだ序の口ですね。さすがチャンピオンです。  (加藤)


我が国では植林困難な熱帯雨林広葉樹材がたくさん売れています(2)

2009-06-24 11:29:18 | 木の話し
 
  弊社ではこれらの熱帯雨林系のデッキ材は自社の物件では使いません。

だけどいくら言ってもダメな場合は「支給してください。取り付けだけはします。」という事になります。

以前あったそんな現場のお話。屋上にてのセランガンバツゥのウッドデッキの施工。

「(設計士の)先生なんでこんなのを使っちゃうの?」

「お客様がメンテナンスをしたくないからなるべく耐候性のある木を使うって事になったのよ。」

「それじゃぁ木にしなきゃいいじゃん。」

「いやぁ、やっぱ木がいいって言うんですよ。」

「ノーメンテナンスで木を使うんですか?」

「そういう事になりますね。」

「有機質で生物資源である木をノーメンテナンス?それってバチ当たりません?子 供は好きだから欲しい。
 だけど子育てや、人としての成長に必要なしつけはやりたくない。ノーメンテナ ンス!おかしくないですか?
 しかも植林困難な木を。」
 
「・・・・。」

「ウッドデッキなんて手をかければかけるだけ長持ちします。メンテナンスという行為は、外部使用の為、
樹齢以上の長持ちができないのを知ってて木を使用させて頂く人間のせめてもの報いと長持ちへの願いだと
思うんですがね。ほったらかしでもイイ大人に育て!ほったらかしでも長持ちしろ!じゃバチあたりますわ。」

「・・・。そうだね。」(実話)  (加藤)