適材適所の会 新着活動状況

私たち適材適所の会は、「国産材の持続的活用と環境の両立」の大切さを
「木育」を通して訴えていく活動をしています。

発見!!

2009-07-01 19:02:51 | 木の話し
「杉及びクス、このふたつの樹は、以て浮宝とすべし。檜は以て瑞宮を為る材にすべし。
まきは以て顕見蒼生の奥津棄戸に将ち臥さむ具にすべし。
夫のくらふべき八十木種、皆能く幡し生う。」とのたまふ。」

この言葉は奈良時代に成立した日本の歴史書である日本書紀の一文ですが、どうやら私達の先人は、

違った使い方をしていたのです。


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この写真は先月 東京都の奥多摩へ セラピーロードをしに行った時の休憩小屋で撮りました。 

かつて東京都森林組合の組合長のお宅だったのですが、今は一般公開されているそうです。   

私はそこで・・・発見しました。 味噌蔵です。 中に入ると 杉で作った樽が。 真ん中の樽がいいでしょうか。  

杉の木を輪切りにして丸太にすると、表皮に近い部分では色が薄く白っぽく、

内側では色が濃く赤みを帯びています。  (わかりやすく言えば バームクーヘンを思い出してください。)

白い部分を白太、または辺材といい、内側の濃い色の部分を赤身、または心材といいます。 

味噌樽・酒樽には内側が赤身で、外側が白太の、 甲付きとよばれるものが最適といわれます。 

匂いのもっとも強い部分が酒に触れて香り付けになり、見た目に美しい白い部分が樽の外側になって

見栄えをよくしています。 お酒で有名な 菊正宗さんの樽酒は 吉野杉を使用しています。


つまり、先人達は杉の使い方を 日本書記の船としてではなく、

命の次に大切な食べ物の器として使っていたのですね。 

味噌、酒、醤油樽・桶・お茶箱に至るまで。

文明堂さんのカステラの最高級品の箱も・・・ 実は杉なんです。

器として使用した後には、 十分乾燥させてから 

ご自宅の家具として使ってみてはいかがでしょうか。 (小川)