a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

光州

2008-06-03 14:37:29 | Weblog



この前映画を観た。
『光州5・18』という、
光州事件を扱った映画だ。

ボクは、
この事件のことを知らなかった。
知ったのは、
2003年に『走れメロス』で韓国公演をしたときだ。
といっても、
紙の上、文字の上で知るだけで、
それが何か、
実感として、感じることはなかった。
ニュアンスとして、
中国の天安門事件みたいな感じかな、
と思ったりもした。
日本で言えば、東大安田講堂か。

そんな光州(クワンジュと読みます)に、
公演で行った。
この地で『走れメロス』を公演することの意味を、
あの時は、はっきりとわかっていなかった。
あの時も、行ってみて、わかったことのほうが多かった。

あのときの日記をめくってみる。(中省略)

光州は抗日闘争と民主化運動の地。
その地をメロスが走る。
ソウルに比べ田舎のイメージがあったが、
韓国でも5大都市の一つということもあり、
けっこう栄えている。
ただ、広い町で、移動は車がなければ無理。
ぼくらの劇場は、5.18記念会館と言う名前で、
5.18
記念公園の中にある。
とても意味ある劇場であり、
この公園の記念碑には
「最も重要な場所のひとつ」
と書かれている象徴的な場所でもある。
公園の大きなオブジェの地下には、
小さな地下室があり、
5.18
事件で亡くなった約200人の若者の名前が書かれている。








このときは、
この圧倒的なモニュメントの持つ迫力に、
ただただ、見ることしかできなかったけど、
いま、もう一度行ってみたいとも思う。

映画の影響も、あるかな。

この光州事件による市民の死者は、
政府発表によると200人。
しかし、
実際には、2000人を越すと言われている。
まだ思想統制が強い、
軍事政権時代。
国家は市民に銃を向けた。

先に銃を向けたのは国家だ。
その理不尽な弾圧に、
市民が銃を取った。

その後の韓国の民主化への動きを思うと、
歴史的なターニングポイントでもあった。
ぼくは知らないことが多すぎる。
ただ、このような、
何かのきっかけは、大事にしたいと思う。
ここのとこ、
ドキュメンタリー映画や、
多くの本を読んで、
そういうきっかけになるものが多かった。
まるでシャワーを浴びるよう。
それでも、
知らないことを知るということは、
大切なものであれば、あるほど、
気分がよく、また、
重い気持ちとを同居させることになる。

とりとめもなく、書いたけど、
映画に限らず、
こうやって刺激を受けるのは、良いなぁ。
忘れないうちに、
書いとこうと、ただ、思ったことでした。
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