a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

墓標か追憶の記念碑か、あるいは備忘録

2020-01-25 22:22:05 | 稽古場ブログ
今回のブログ執筆者は劇団員の篠澤です。二年前の『ビーダーマン』以来かな?今回も演出助手です。

 今回のお芝居『揺れる』は、ワタクシのブログの題のようにちょいと前の世界的な事柄をドイツから眺めたような作品です。プラス、William Blakeの韻文と。

 Blakeは置いといて。大体、2014~15年の時事ネタがたくさん出てきます。

世界的なモノもありますし、ドイツ限定のモノもあります。思い出してください、
当時の事を。アラブの春があって元CIA職員のスノーデン氏の機密暴露があって、
ウクライナ内戦でゴタゴタの最中にクリミア併合がおきて。この時には2020年
1月8日のイランによる民間機誤射のようにマレーシア機が撃墜されています。
それと絶える事のない人種差別問題と。アメリカのpolitical correctness
(ポリティカルコレクトネス、ポリコレ)が大々的に認知された時期でもあります。

 ISの台頭があって、シリアで内戦が起きて、地中海で大勢の難民が死にました。

 目を転じてドイツ国内では移民問題での対立が顕在化してそのための政党が結成され
ました。首相のメルケルさんは難しい舵取りを余儀なくされ、何より長期政権によって
人心が倦んで批判が多くなったのもこの時期です。欧州最大の米軍基地を抱え、
一方ではクリーン政策を有権者が望むために、核力でも石炭でもないガス発電を支える
ためロシアの顔色を覗わねばならず、そして切り離すことの出来ないユダヤ人の話。
このあたりのドイツ人のルサンチマンは根が深そうです。

 身近な所だとスマートフォンが一般的になったのもこの時期でしょうか。気軽に手軽に発信できるSNSが整備され発展し、写真や動画が更にもましてネット上にあふれ出しました。これとネット上のミームと。

 当時には何をしていたでしょうか。また、今現在どう変わって、あるいは変わらず
にいるでしょうか。そんなことを考えながら稽古を積み重ねていますが、結局は諸行無常ということで。

以上、Blakeの扱いが面倒でくすぶっている篠澤でした。




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