a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

あっという間の……。

2013-08-26 21:15:16 | 東京公演

あす、初日です!!
写真は、今日のゲネプロ。
いつもより高く跳んでおります……ということはありませんが。

東欧公演から、ずいぶんたったように思いますが、
最後は、もう明日か、
という気分です。

今日のゲネプロも上々のでき。
初日、たっぷりの桜吹雪で、
皆様をお待ちしております。




女房4=天利早智(あまりさち)



初めての海外公演。私は海外に行くのも初めてだったので、とても緊張していました。
日本の作品が海外でどう受け入れられるのか、どんな反応があるのか、言葉はどこまで伝わるのか。
海外でなければ見ることのできないものを感じたいと思いました。
公演後のカーテンコールで沢山拍手をもらい、お客さんの顔を見たら、
不安だったことも、仕込みの大変さも、全部ふっとんでしまいました。
言葉の壁を越えて、この『櫻の森の満開の下』の舞台空間を、
そこにいる人達みんなで共有できたんだと実感することができました。
現地の人達はみな親切で暖かくて、スタッフの方々も、
仕込みとバラシと一生懸命手伝ってくださって、
お掃除のおば様が、ちらかった櫻の花びらをほうきで全力ではいてて、何だか気持ちがほっこりしました。



私がルーマニアの1ステージ目で怪我をした時、フェスの救護スタッフの方が二人来て、
そんなに大騒ぎするほどの怪我でもないのに、丁寧に手当てしてくれて、
2ステージ目が終わったあとも、「もう一度、怪我の具合を見せて下さい」とやって来たり、
戸惑ってしまうぐらいでした。
街全体がフェスティバルで、規模も大きくて、
何より芸術に対する理解や意識が日本とは違うなと思いました。
日本でもこんなフェスティバルができたら良いのに。
今回沢山の人と出会い、舞台をつくり、他の劇団の作品を観て、街を歩いて、多くの刺激を受けました。
この経験を活かせるように、今後も頑張っていきたいと思います。




生首2=町田聡子(まちださとこ)



今回の海外公演。またたくさん刺激のある旅をしてきた。
だからこそ今、またいつもの生き慣れた生活になじんでいく自分に、とてもさみしさを感じている。
今回、「生首」役として行くのは初めて。
現地での異国感をひしひしと感じながら、「女」に言葉の命を吹き込まれた首の私が、
どう無言の言葉を体現できるか、挑戦と期待があった。
一カ国めモルドバ(キシノウ)での日々は、以前公演で訪れたウラン・ウデのことを随所で思い出す懐かしい感じだった。
のんびりとした空気、白い路地と緑の多い街並み、
ボックス型の商店、カッテージチーズ。物を大事にし、シャイだけど人が好きそうな人たち。
仕込みでは初っ端からトラブルがあり心配になったが、
まだ20才そこそこのスタッフ『ビッターニア』の大大大活躍のおかげで本当に助かった。
そして公演。私は前日の仕込みで足がパンパン。
すべりにくいA舞台で足がもつれる、B舞台の牛革ですべるという嫌な想像がよぎる。
ゲネでは実際バタバタした。でも生首チームみんなそうだったんだと話しあったら不安が消えた。
本番。
やはり海外の反応は面白い。
袖中から稽古の時よりギンギンになっている女房たちの死にっぷりを見てドキドキする。
それを自分の気合いにのせ、舞台に出た。
同じ生首役のみなちゃんの気配に集中し、ウッシーの手の引力を感じながら思いっきりやった…つもり。
カーテンコールでは大きな拍手と熱い声援を受け、さすがにジーンときた。



次のシビウ公演では、いつもより白いケムリで前が見えず、舞台の芯がとれなくて焦ってしまった。
気持ちも何かばらついたまま終わってしまった気がして悔しい。
次の芝居小屋公演へ向けてその後悔をつなげたい。
他の思い出は、モルドバでディスコに行ったこと、
そこで出会った若者たちのこと、
ラドスタンカパブに入ってきたフランスのチームのライブがとても素晴らしかったことなど書ききれない。
そしてなにげに印象深いのは、シビウでの遅い仕込みを終えて劇団の女性たちと帰った時のこと。
みんなへとへとだったにも関わらず、過去の海外公演の思い出話に花が咲いて、
シビウの街灯の中で缶ビール片手に元気に笑ったりおしゃべりして帰る姿はとてもさわやかでたくましかった。
さまざまな経験をしてきた劇団活動を、この人達と共に歩んできたんだなということを深く感じさせられた夜だった。
 





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東京演劇アンサンブル公演
桜の森の満開の下

作=坂口安吾
脚本・演出=広渡常敏
音楽=池辺晋一郎
演出補=志賀澤子
照明=大鷲良一
効果=田村悳
衣裳=小木節子
舞台監督=浅井純彦
制作=小森明子・太田昭

前売一般3800円
前売学生3000円
当日4500円

全席自由
上演時間1時間(遅れると入場できません)

8/27(火)19:30
8/28(水)19:30
8/29(木)19:30
8/30(金)休演
8/31(土)14:00
9/1(日)14:00

ブレヒトの芝居小屋
(西武新宿線・武蔵関駅より徒歩7分)

公演詳細HP

東京演劇アンサンブルウwebチケットサービス
コメント
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