a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

今度のスープはコーンスープでした。

2008-03-06 12:14:50 | 東京公演
3月1日は、2回目のスープシアター。
スープ作製は、何を隠そう僕の仕事です。
1回目は、演目が『沖縄』ということもあり、
“沖縄そば”を作りました。
今回は、かなりいきあたりばったり的なイメージで、
出演者の岩田さんと、
「アメリカと言えば、コーンスープ」
なんて勝手なことを言って、
ふたりの意見が一致したからいいかな、
ということで、決めました。



公演当日は満席で、スープの評判も上々で、
成功といえるかな、と思います。
作品の評判は、いろいろで、
時代背景のことなど、
世代によって違った意味が見えてきていたようです。
「アンサンブルっぽくないけど、
アンサンブルだった」
という声もありましたし、
それも含めて、
こういう実験的な試みは、
これからも積み重ねたいなぁ、
と思いました。
批判も評価も聞きながら、
劇団内でも論議があって、
関わった人たちが次に進めればいいな、と思っています。



僕個人としては、
最後までこの芝居の何たるかをつかめなかった・・・と思います。
なんとなく、こうじゃないかな、というのはあるんですが、
この“?”もまた、僕にとっては継続事項だなと思います。

作家ドナルド・フリードは、
なかなか気骨のある映画のシナリオなどを書いていて、
特にケネディ暗殺の真相などを扱った作品などで、
社会派な作家。
その彼がなぜ、“SM”?
てな思いがあります。
その人間関係の裏にある、作家がたくしたもの。
大国・強いアメリカと、
そのアメリカに守られ、従属することで、
安泰な日常を手に入れようとする、
無知な民衆。
そんなことを、考えました。
その民衆と、日本という国自体が、
同じ力関係に見えてくるかもしれない、とも思いました。



終演後のスープを飲みながらの交流会も、
なかなか作品の中身に触れていくのは難しいようでしたが、
翻訳の堀真理子さんや、
音楽選曲のジャス評論家の岩浪洋三さんがいらっしゃってくれたので、
少しでもお話を聞けたのが良かった思います。



次回はまだ時期も作品も未定ですが、
継続していこうと考えています。
どうぞこれからも、よろしくお願いします。

最後に、
すごく個人的なことで恐縮ですが、
この芝居を一番観せたかった友人に観せられなくて、
それだけが、残念でなりませんでした。
つくづく芝居は、生もので、
その日、その時に観てもらわないと、
次にいつ観てもらえるか、
なんて言えないし、
もう、観てもらえないかもしれないんだなぁ、
とやるせない気持ちにもなりました。
コメント
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