しかし、この「スカッとしたい」というヨコシマな考えが、純粋に先生の大作を楽しもうという姿勢を失わせてしまった。
冷静に考えれば、宇宙戦争という壮大な設定を、まんま強大な侵略者に敢然と立ち向かうヒーローものとして描くわけがない。しかもH.G.ウエルズの原作(原案?)ありきの映画。原作はあらまし程度しか知らないんだけど、原作へのリスペクトもかなり出してるんではないかと思う(もちろん原作をそのまま映画化したものではありませんが)。その辺を見誤ったがために、いまいちスカッとしそこねてしまった。
プロモーション戦略として事前情報を一切出してなかったけど、せめて原作がどういう話かくらい知っておいたほうがよさそう。また賛否両論呼びそうな、少なくとも日本では万人ウケはしなさそうな映画でした。自分でも釈然としなかったので、急遽ハヤカワの文庫を買ってナナメ読み。分かった上でもう1、2回観てみたら、細かいところの発見があったりして面白いかも。
それにしてもスピルバーグ先生、俳優で人を集めるようなキャスティングはしてなかったのに(って、俳優のことを知らないからそう思ってるだけかもしれないが)、最近やたら大物スタアと組んでるなあ。
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