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雑感録

When I’m sixty-four PART2(13)信長・秀吉・家康のこと(ネタバレ&長文注意)

現在放送中の大河ドラマ「どうする家康」。いくらドラマにしても、信長・秀吉・家康とも極端に描きすぎと思ってんだけど、どうだろう。
ところで、前回、山路愛山の「徳川家康」が電子書籍になかったんで、代わりに読んだ井沢元彦の「日本の英傑〜信長・秀吉・家康編」について。
“編”というぐらいだから他の英傑たちの本もあるんだろうけど、戦国期を終わらせたこの三人は別格だ。書いてることは信長・秀吉・家康とも少しずつ時代が重なってるので全編を通して秋山駿の「信長」とたいして変わらないんだけど、井沢の方はもうちょっと初心者向けに具体的で読みやすい。秋山が信長の“天才性”という観念的なものをテーマにしたため、スタンダールなどの古典を引き合いに出したのに対し、井沢は具体的な実例を引き合いに使っている。
まあ、信長については前回も書いたし、これくらいにしといて、残る秀吉と家康について。
家康については、信長の章の中ではあるけど、「徳川家康も偉大な人だと思うが、天才ではないと私は思う。その理由は、彼自身が考えついたと思われる独創的なアイデアがないからだ」という。
秀吉の章では、「私に言わせれば『秀吉は秀吉でしかない。後世の人間の歴史観によって、秀吉像を誇張したり歪曲したりするのは、歴史を語る上で正しい道ではない』」と手厳しい。「秀吉は、信長のような天才とはいえない。しかし、信長より確実に上の才能がある。それは、謀略の才と『人たらし』の才である。信長ですら、秀吉の『人たらし』に引っかかった一人であると言えるかもしれない」とある。また、家康が勝利したといわれる小牧・長久手の戦いで織田信雄が秀吉と講和を結んだという件。「秀吉だけがそれが可能だと確信した。天才のカンである」と、ここだけ“天才”という言葉を使っている。(暴挙と言われる朝鮮出兵については)「雇用対策である。信長以来の専門兵士育成によって日本には四十万人に近い完全武装の兵士が生まれた。(中略)この兵士たちを『おまえたちの仕事はもうない。全員クビだ』と言ったらいかに秀吉でも命はない」と言う。
一方の家康の章では「凡人には不可能なことを実現する人のことを天才と呼ぶ。信長も秀吉も天才であった。しかし、家康も天才には違いないが、信長・秀吉とはちょっと違う」と、家康についてもここだけ“天才”という言葉を使っている。結局、秀吉も家康も天才には違いないけど、信長に比べるとスケールが小さいということなんだろう。
「こうして家康は雇用問題を解決した。(中略)ここにおいて信長・秀吉が、そして日本人が求めた恒久平和がようやく達成されたのである」と結んでいる。

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